目指せ9秒台!! 1986年ゼロヨン極限トライアル、トップタイムはタカハシタイヤ・コルベット・その1【OPTION 1986年1月号より】

記録をマークしたメカニズム

1980年式コルベット・スティングレィをベースに、本物のエックラー製CR-2ボディキットを装着したタカハシタイヤ・コルベット。

エンジンはLS6(シボレービッグブロック)454CID(7.4L)がベース。鋳鉄製のブロック&ヘッドの中には、数々のハイパフォーマンス用パーツが組み込まれている。LS7用ビッグバルブ、圧縮比11用TRW製ピストン、イスケンドリアン製カム等。キャブはホーリー850cfm。INマニはエーデルブロック製VICTOR・Jr。EXマニはフッカ製フルメッキタイプで、直接ボディサイドに出される。

また、ゼロヨンでその威力を発揮するNOS製プレートタイプのニトロもボルトオン。

パワー的には軽く650ps近くになっているはずだ(推定)。パワーバンドはエンジンがピーキーなため、6500~7000rpm。

今回注目する点は、エンジンルーム内でけっこう重量のあるラジエターを外していることだ。当然、エンジンの冷却面では不利がが、ニトロを同時に使っていれば冷却面での不安もそれほどなく、水温に注意すればエンジンへのデメリットもほとんどない。

実際に走行してみると、スタートからゴールまでに30度ほど上昇したくらいだった。しかし、ゴール後にピットに帰るときは、サポート車を使ってエンジンをオフにし、オーバーヒートを防いでいた。

駆動系はGM・T400AT、ハイストールコンバーター、ファイナル3.07、ファイアストーン製ドラッグスリック(10.5/28.5-15)を使用している。

●9秒台を出す秘策は!!

今回、はっきりいって9秒台を狙っていました。しかしちょっとね…。今後の予定は、リヤのサスペンションを独立タイプからホーシングタイプにして耐久性を上げて、スタート時に回転数を上げられるようにするつもりです。
今回、スタートは3000rpmくらいでないとハーフシャフトやジョイントが折れる心配があったんですが、ホーシングタイプにすれば大丈夫。確実に9秒台が出せると思いますよ。エンジンに関しては、今まで全くトラブルが発生していないので安心しています。が、もっとパワーを出すためにツインキャブにしたり、ハイパワー用のマニホールドに交換していきたいと思います。

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10秒切りがひとつの目標! あの頃の風を感じられるような誌面です。次回からはこの日のドキュメントと、参加マシンの紹介を順にしていきます!

[OPTION 1986年1月号より]

(Play Back The OPTION by 永光やすの)

この記事の著者

永光やすの 近影

永光やすの

「ジェミニZZ/Rに乗る女」としてOPTION誌取材を受けたのをきっかけに、1987年より10年ほど編集部に在籍、Dai稲田の世話役となる。1992年式BNR32 GT-Rを購入後、「OPT女帝やすのGT-R日記」と題しステップアップ~ゴマメも含めレポート。
Rのローン終了後、フリーライターに転向。AMKREAD DRAGオフィシャルレポートや、頭文字D・湾岸MidNight・ナニワトモアレ等、講談社系車漫画のガイドブックを執筆。clicccarでは1981年から続くOPTION誌バックナンバーを紹介する「PlayBack the OPTION」、清水和夫・大井貴之・井出有治さんのアシスト等を担当。
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