【週刊クルマのミライ】ホンダ・CR-Vの初速発表。ハイブリッドよりダウンサイジングターボが人気!

2018年8月30日に発表されたホンダの新型SUV「CR-V」の、発売一か月での累計受注台数が発表されました。9月30日現在で5,000台を超え、月間販売計画(1,200台/月)の4倍以上となったそうです。

注目は、パワートレインによる比率です。新型CR-Vは1.5リッターのダウンサイジングターボと、2.0リッターの2モーターハイブリッドがラインナップされていますが、初期受注におけるパワートレイン比率はハイブリッド43%に対して、ダウンサイジングターボは57%となっています。

少し前までの日本市場であれば、ハイブリッドの方が圧倒的に多くなっていたものです。たとえば、2017年初頭におけるトヨタ・C-HRの発売一か月でのハイブリッドとダウンサイジングターボの比率は、77:23となっていました。価格帯もセグメントも異なるので単純比較はできませんが、日本市場におけるハイブリッド至上主義に変化が出てきたことを、CR-Vの初動は示しているのかもしれません。

とはいえ、CR-Vについてはいえば3列シートモデルが用意されるのはダウンサイジングターボ車だけというのも前述した比率に影響している可能性は否めません。ちなみに、パワートレインに関係なく5人乗り仕様と7人乗り仕様の比率は68:32となっています。つまり、ハイブリッドとダウンサイジングターボの2列仕様/3列仕様での比率は、ハイブリッド43%、ダウンサイジングターボ5人乗り25%、ダウンサイジングターボ7人乗り32%となっているわけです。

いずれにしても、新型CR-Vについてはハイブリッドよりもダウンサイジングターボを選んだユーザーのほうが多いというのは事実。特定モデルの初速だけをもって日本市場のトレンドが変化したということはできませんが、ハイブリッドというだけで商品力になっていた時代は終わりを告げたことを実感できるエピソードだったと、後の時代に評されることになるかもしれません。

もちろん、将来的には電動車両であることが当たり前になるのは既定路線ですが、当たり前になるからこそ電動というだけでは商品力にならない時代になってきているともいえます。CR-Vが全車にホンダセンシングを標準装備しているように、自動運転技術につながる運転支援システムについても付加価値といえなくなっている昨今です。

果たして、次の差別化ポイントとなるのは、どのような機能・要素なのでしょうか。

(山本晋也)

この記事の著者

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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