【VW・ディグアン TDI 4モーション試乗】しっとりした乗り心地でファミリーSUVとしての実力を発揮

フォルクスワーゲンのSUV・ティグアンに、ディーゼルエンジンを搭載する4WDモデルとなる「TDI 4モーション」が追加されました。ネーミングからもわかるようにディーゼルエンジン(TDI)を搭載した4WD (4モーション)です。

採用されたエンジンは2リットルのディーゼルターボで、最高出力は150馬力、最大トルクは340Nmとなります。1.4リットルガソリン仕様のTSIでも最高出力の150馬力は確保できていますが、最大トルクは90Nmも低い250Nmでしかありません。

ただし、頑丈なディーゼルエンジンの搭載と4WDシステムの採用によって、車重は約200kg増えて1730kgとなりました。

この車重増が功を奏したのかも知れませんが、乗り心地がしっとりとした落ち着きのあるものになっていました。ガソリンエンジンモデルはベースとなったゴルフと同じようにドイツ車らしいキビキビとした走りを披露するクルマでしたが、こちらのトゥーランはもっと懐の深い走りが得られます。

ひとつはエンジンがディーゼルで、低速からしっかりとトルクがわき上がり、力感あふれるフィーリングがそう感じさせるということです。さらに4WDであるために駆動力が前輪だけでなく、後輪にも伝わってタイヤに負担を掛けない加速が得られることも影響しているでしょう。

トゥーランの4モーションには「ノーマル」「スノー」「オフロード」「オフロードインディビデュアル」の4モードの走行モードのチョイスが可能。さらに「ノーマル」では「エコ」「ノーマル」「スポーツ」「インディビデュアル」「コンフォート(DCC装着車のみ)」が選べます。

試乗時に多用したのは「ノーマル」の「ノーマル」でした。かなりきつめの雨の中での試乗となりましたが、重めの車重がしっかりと効いたゆったり感のある走りがガソリンエンジンよりも大人っぽい乗り味を実現していました。

「スノーモード」や「オフロードモード」を駆使した走りにも期待が膨らみます。冬がちょっと楽しみなクルマの登場と言えるでしょう。

(文・写真/諸星陽一)

この記事の著者

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諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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