実際に街中から高速道路、山岳路まで走らせると、エンジン刷新の効果は、中低速域のトルク感ではなく6500rpm前後からのパンチ力と伸びの良さに感じられます。改良前は日常使いにはもちろん不足はないものの、シャーシ性能の余裕が目立ち、「もう少し速ければ」というシーンは高速道路の追い越し時や上り坂でありました。
新型ではアクセル操作に対してレスポンスよく反応し、一般公道であれば必要十分という高回転域までパンチ力を伴って回っていきます。さらに、スポーツモードにすれば、エンジン音はさらに高まりますが、より力強い加速フィールが引き出せます。
オープンエアになるスポーツモデルということを考えると、エンジンサウンドがもう少し官能的であれば、より積極的に屋根を開け放って楽しみたくなるのが少し惜しく感じる点でしょうか。
試乗車はATでしたが、こうしたより回って元気になったエンジンの恩恵により、2ペダルでも十分に楽しめるのも朗報。ロードスターRFは大人のGT(グランドツーリング)的な雰囲気を醸し出していますから、ATをチョイスしてリラックスしながらドライブを楽しむ手もありそう。もちろん、高回転域を維持してスポーツドライビングを享受することもできます。
(文/写真 塚田勝弘)