【メルセデス・ベンツC180ステーションワゴン 試乗】もっともベーシックなパワートレインはやっぱりグッドフィーリング

メルセデス・ベンツのCクラスはじつに数多くのバリエーションを持つモデルです。ボディタイプひとつとってみてもセダン、ステーションワゴン、クーペ、カブリオレと4つの車型を用意。さらにGLCなどの派生モデルも存在しています。

搭載されるパワーユニットを見ても、1.6リットルターボ、1.5リットルターボ+ISG(マイルドハイブリッド)、2リットルディーゼルターボ、3リットルツインターボ、4リットルツインターボ2種と6種類をライアップしています。すべてのボディにすべてのパワーユニットが用意されているわけではありませんが、その組み合わせは非常に多く、グレード別に数えると23種にも上ります。

そのなかでももっともベーシックと言えるのが、1.6リットルのターボエンジンを搭載するC200です。Cクラスは2018年7月にマイナーチェンジを受けましたが、このエンジンについては変更点はなく従来どおりの156馬力、250Nmのスペックのままです。

試乗車はステーションワゴンです。国産車のワゴンが減少の一途をたどるなか、CクラスのステーションワゴンはBMW3シリーズツーリングやアウディA4アバントと並んで日本での使い勝手もいいサイズのワゴンとして貴重な存在と言えます。セダンなみの運転のしやすさに加えて、荷物の搭載能力の高さなどの実用性を叶えるのはもちろん、セダンよりも若々しく見える部分も重要と言えます。

C200に乗ってみるとじつに普通のクルマです。なにか特別の機構などがあるわけではなく、あくまでベーシックに忠実で、クルマの基本とはなんぞや? ということを主張するクルマです。しかし、それが妙に落ち着いた雰囲気をかもし出します。電気自動車やハイブリッドといったシステムは確かに環境や省エネに大切なものなのですが、それ以上に大切なのはこうした普通のフィーリングなのかもしれません。

純粋にCセグメントのステーションワゴンが欲しいという気持ちならば、このC180がもっともいいと言えるでしょう。

(文・写真/諸星陽一)

この記事の著者

諸星陽一 近影

諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
続きを見る
閉じる