室屋選手、第6戦「ウィーナー・ノイシュタット」で表彰台獲得も、2連覇の夢消える…【レッドブル・エアレース2018】

【ラウンド・オブ・8】

・ヒート8
前戦と全く同じ組み合わせとなった。室屋選手は勝利直後のコメント通り0:59.578と1秒短縮してみせた。後攻チャンブリス選手は離陸直前にエンジンに不調を覚え、競技を棄権。室屋選手は第2戦カンヌ以来のファイナル4に勝ち上がった。

・ヒート9
コプシュテイン選手はラウンド・オブ・14より1秒近くタイムアップを図り0:59.904とソンカ選手にプレッシャーを掛ける。後攻ソンカ選手は序盤から圧倒的な速さでコプシュテイン選手を引き離すとラウンド・オブ・14より0.4秒タイムを短縮、0:59.347でチェコ人対決に勝利した。

・ヒート10
ラウンド・オブ・14と同じ対決。先攻ブラジョー選手、自ら最悪と語った前ラウンドのタイムを0.5秒短縮し、0:59.636。後攻のマクロード選手は序盤からマージンを築いたが、2LAP目に入るゲート7で痛恨のインコレクトレベルで、1:01.388。ブラジョー選手がまさかの勝ち上がりを果たす。

・ヒート11
イワノフ選手、1:00.520でホール選手を待つ。ホール選手は2秒以上の差を付ける圧巻の0:58.394で勝ち上がった。

ラウンド・オブ・8ではグーリアン選手を除いたランキング2〜5位の選手が勝ち上がり、シーズン成績上位の強さが目立つ結果となった。

【ファイナル4】

最初に飛んだ室屋選手、0:59.324で本日自己最速のタイムを叩き出す。室屋選手の勝ちパターンだ。2番手のソンカ選手は序盤から室屋選手に後れを取るも2LAP目のVTMからゴールの間で逆転、0:59.288のタイムを刻み、0.036差でトップに立つ。

3番手のブラジョー選手、1:00.088で前に飛行した2人に届かず。3位以下が確定した。最後のホール選手は序盤リードするも、ソンカに0.083差、室屋選手と0.047差の0:59.371で3位。全員の順位が確定した。

マルティン・ソンカ選手は現役選手唯一の3連勝を達成、室屋選手は健闘したが、準優勝となった。

また、同時開催されたチャレンジャークラス(2戦)では昨年より香港から参戦しているケニー・チャン選手が2連勝を達成。ポイントランキングでもトップに立った。
 

チャン選手は昨年は叶わなかった最終戦(タイトル決定戦)への挑戦が確実となった。

マスタークラスのチャンピオンシップは、優勝したソンカ選手が64ポイントで首位に立った。3位に入ったホール選手がランキング2位に上がり58ポイント。首位から陥落したグーリアン選手が55ポイントで3位となった。

室屋選手は今回12ポイントを加え34ポイントで4位となったが、タイトル争いからは事実脱落した(残り2戦で連勝して64ポイントに並べても優勝回数でソンカ選手を上回れない)。チャンピオン候補は3人に絞られたが、3位のグーリアン選手は首位ソンカ選手と9ポイントの差が開いたため、自力でのタイトル決定権が無くなった。

次戦は10月6〜7日にアメリカ、インディアナポリス州のインディアナポリスモータースピードウェイで開催される。インディアナポリスはほとんどがサーキットの中で飛行するが、スタンドやトラックが壁となり、高度で風向きの変わる難しいトラック。

室屋選手にとっては昨年奇跡の逆転タイトルを掴んだゲンのいい開催地。残り2戦、連覇の夢は絶たれたがタイトル争いをかき回す存在となった。室屋選手に現王者の意地を見せて欲しい。

(川崎BASE・photo:Balazs Gardi/Andreas Langreiter/Joerg Mitter/Predrag Vuckovic Red Bull Content Pool)