【新型フォレスター 直噴2.5Lモデル試乗】全体が高いバランスで進化したSUV

新型フォレスターは革新的な技術などの「飛び道具」を全身に用意しているというわけではありませんが、全体が高いバランスで進化したSUVです。

今回はパワーユニットとして直噴2Lエンジンとモーターを組み合わせマイルドハイブリッドと、直噴2.5Lエンジンの2本が用意されます。

純ガソリンユニットから従来モデルにあった2L NAや2Lターボなどがなくなったことによって、スバルのSUV兄弟であるXV(純ガソリン車は1.6L&2Lエンジン搭載)との棲み分けができるようになり、キャラに明確さが増したことは注目点です。

今回、直噴2.5Lエンジン(184ps/5800rpm)を搭載するXブレイク(全長×全幅×全高:4625×1815×1730mm・291万6000円)というグレードに乗ることができましたので、内外をチェックしていきましょう。

スバル独特の鷹の目のようなヘッドライトは光源がLED化されています。またロービームに関してはステアリングと連動して左右に動くアダプティブタイプが採用されています。

ちょっと注目したいのはワイパーです。フォレスターでは全車に凍結を防止するデアイサーが標準装備されています。

これは降雪地帯での需要が多いスバルならではの知見だと思います。

ホイールベースは前モデル対比で30mm拡大されました。この拡大幅は後席居住性向上に充てられています。

ホイールベース拡大に加えてリヤドアの開口面積が大きく取られていること、さらに乗り降りしやすい幅広なインナーステップが用意されていることなどで後席は乗降性も向上しています。

実際に一般道と高速道で試乗してみました。

水平対向4気筒NAエンジンは、HVやダウンサイジングターボにディーゼルなどを搭載する車両も少なくないSUVにあって、カタログスペック上はシンプルでそっけない感じですが、実際には2.5Lと大きめの排気量を持つことで低速から高速まで余裕があるトルクを発生してくるので非常に運転が楽です。


また新型のプラットフォーム「SGP」を採用したボディは頑丈で、これがサスペンションの動きを促進させることでコーナリング性能なども高いです。

ただし一般的な走行シーンではこうしたコーナーでの性能よりもむしろ直進時、細かな路面の凹凸をきっちり収めることによるフラットな挙動に注目です。それはまるで和泉元彌の「そろりそろり」としたすり足のよう。この姿勢維持度の高さこそSGPのメリットとして感じられます。

またすべてのウィンドウが上下に大きく、視界が良いことで取り回しが良いボディにも注目です。これに余裕あるエンジンと懐の深いシャシーを組み合わせているので、毎日乗るクルマとしての安心感・信頼感が大きいのがフォレスターの特徴なのでした。

(写真/前田惠介、ウナ丼 動画・文/ウナ丼)

この記事の著者

ウナ丼 近影

ウナ丼

動画取材&編集、ライターをしています。車歴はシティ・ターボIIに始まり初代パンダ、ビートやキャトルに2CVなど。全部すげえ中古で大変な目に遭いました。現在はBMWの1シリーズ(F20)。
知人からは無難と言われますが当人は「乗って楽しいのに壊れないなんて!」と感嘆の日々。『STRUT/エンスーCARガイド』という名前の書籍出版社代表もしています。最近の刊行はサンバーやジムニー、S660関連など。
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