ウラジオストクは日本に最も近いヨーロッパの都市、ロシアにおける日本からの玄関と言っていいでしょう。
そして、ウラジオストクには、日本車がたくさん走っています。たくさん走っていると言っても「輸入車なのにそこそこ多い」レベルじゃありません。普通に走ってる乗用車は「ほぼほぼ日本車」と言えるレベルです。六本木の国産:外車の比率よりはるかに日本車が多いです。
しかも、それらの日本車はまず間違いなくと言っていいほど右ハンドルです。
しかし、ロシアは右側通行。つまり新車で売るなら普通は左ハンドルの国なはずです。
気になったので、近くの駐車場で台数を調べてみました。止まっていたのが236台そのうち右ハンドルが222台! 94%ですよ!!
そう、このほとんどは、日本で使い終えた中古車が輸入されたものが大半なのです。
まあ、ここは日本車が多く登場するドリフトイベントというのもあるかもしれませんが、他の地域でも1割くらいは日本の中古車なんじゃないでしょうか?
ちなみに左ハンドルの14台中2台が古めの韓国車、残りがレクサス、ランクル、マツダCX-5など、新し目の高級日本車でした。
ちなみに、車両のナンバープレートの取り付け方法を見ると、中古で輸入した日本車か、そうでないか推測することができます。
ロシアのナンバープレートはヨーロッパなどに多い横長。日本のナンバープレートの取り付けにあった「切れ込み」が元のまま、横長のナンバープレートを取り付けている車両は中古車で輸入した車両でしょう。
そこで現地の事情を、日本からの毎月千台単位で中古車を輸入しているというSBT社のジェネさんにお話をお聞きしました。
10年程度前をピークに、リーマンショックなどを経て、日本の中古車の輸入台数は減ってきていますが、まだまだ日本の中古車は人気です。最近では、緊急通報機能が義務付けられることになったのですが、それも当社では対応可能になっています。
ロシアの道が悪く、雨が降ったりしたときの舗装路でないところを走れるように、やや車高が高かったり、4輪駆動の車両に需要があります。具体的には、このところでは、SUBARU車やジムニーが人気となっていますね。
一時期、日本では右ハンドルがロシアで輸入できなくなるという話が流れたようですが、そんなことはありません。バスの右ハンドルが規制されるというのが誤報として流れたようです。
日本メーカーもロシアに工場進出しています。それらは左ハンドルで生産、販売されています。ですが、それらは余裕のある人たちの選択肢。クルマなしではなかなか生活が成り立たないロシアで、まだまだ庶民の足としては右ハンドルの中古日本車が人気なのはしばらく続きそうです。
あえて日本風ダミーナンバープレートを付けている人もいるくらいリスペクトされているようですから。
【関連記事】