本当に中国製のタイヤって大丈夫なのかどうかを実際に乗って確認してみた

メイドイン・チャイナの商品に関して残念ながらあまりいい評判を聞きません。しかし半年前にボクが上海で試乗したピレリタイヤは中国製でしたが、とてもしっかりしていて良い印象を持ちました。

元ピレリジャパンの社長で現在ピレリのアジアパシフィックのCEOであるグレゴリオ・ボルゴ氏は、2015年までにプレミアムセグメントのリーダーになることを目指していると宣言し、中国の工場を大幅に拡大しました。そこで大型車、中型車をターゲットとしたハイテク・プレミアムブランドのタイヤとしてチンチュラートP1を市場に送り出しました。

上海で乗ったときのインプレッションが日本の道でも共通なのかを確かめたくて、日本でも発売が開始されたピレリ・チンチュラートP1を先代のメルセデス・ベンツEクラスに装着して試してみました。

インプレッションのレポートを始める前にピレリ・チントゥラートP1の概要を解説しときましょう。

最新のピレリのチントゥラートという名称は、エコロジーなタイヤという意味に使われています。このチントゥラートP1も新しいコンパウンド(ゴムの配合)や新素材を採用することにより、転がり抵抗を25%低減し4%までのCO2の排出削減を可能にしています。

転がり抵抗を減らすことによりウエットグリップが低下してしまうケースが多いですが、チントゥラートP1は80km/hからのウエット路面での制動距離を3%短くし、ドライ路面での100km/hからの制動距離は4%向上させています。

またタイヤ構造とトレッドパターンのバランスを考えて開発したことで、ドライバーに大きなドライビングプレジャーを与えることができています。つまりハンドリング性能が良いということです。

さらにトレッパターンやタイヤ内部の張力をコントロールすることにより、騒音や乗り心地を向上させています。車内騒音は30%減らし、音圧レベルとしては1dB低減。障害物との緩衝により発生するノイズの削減やダンピングを良くすることで快適性を向上させています。

旧型Eクラスに履いたチントゥラートP1のサイズは前後共245/45R17 95W。チントゥラートP1はサイズバリエーションが豊富だから、多くの車種に適応していますから、あなたのクルマにもジャストフィットのサイズがあるでしょう。

まずは見た目の印象は、しっかりとグリップしそうなトレッドパターンに安心感を持てます。基本的にはブロックパターンですが、横方向のスリットは幅が狭くセンターやミディアムブロックはほぼリブパターンに近いデザインになっています。4本のストレートグルーブは耐ハイドロプレーン性能が良さそうな印象を持ちました。

ホイールのリムを守るようにサイドウォールが盛り上がっているのも、高級車に履く場合には嬉しいデザインです。

今回テストしたEクラスはさすがにディーゼル車だけあって、すでに7万7000kmを走り込み、今回が3セット目のタイヤでした。

しかし走り始めてすぐにハンドルのセンター付近の遊びが少なく、小さなハンドル角でもリニアに反応してくれるので、クルマの古さを感じさせないのが良かったです。古いクルマも新鮮に感じさせてくれるタイヤなのです。

応答性は特にシャープでもなく、特にダルで(鈍く)もない。期待どおりの反応でした。速い操舵でも遅れることなく、また後からヨーが強くなって不安定な感じになることもなくとても躾のいいタイヤと思いました。ハンドルの手応えもヨーに比例した重さが出ていて自然な感じが良かったです。

ハンドルを切っていったときの踏ん張り感も良い印象でした。変にグリップが強すぎることなく、ちょうどよく踏ん張ってくれる感じがボクの好きなタイプです。ここでもとても自然に走れるところが良かったです。

ちょっと飛ばしていっても、フロントはハンドルに忠実に動いてくれて、リヤはどっしりと安定しているというメルセデス・ベンツのイメージを崩すことなく走れるから、タイヤの品質感もかなり高い感じでした。

乗り心地という意味では、タイヤの転がり感が良かったです。きれいな道をきれいに転がるという感じなのだが、実はこういった品質まで良いレベルのタイヤはなかなかないのにそれが実現していました。タイヤが滑らかに回転する感じが良かったです。

路面の凹凸でも振動に角の丸さがあり、ダンピングも良かったです。また走行音も静かな部類に入ると思います。

全体としてとてもバランスが取れたタイヤだという印象でした。飛び抜けたグリップではないものの必要充分以上のものがあります。非常に素直なハンドル応答性で走りやすく、快適性も充分高いレベルであると思いました。きれいに回転して走る感じから転がり抵抗も低そうで、燃費もきっと良いデータを示すことでしょう。

ごく普通のセダンからスポーティなモデルまで幅広く対応できそうなクセの無いタイヤで、多くのドライバーにお奨めできます。

中国製というレッテルを貼ってものをみるのはいけないかもしれませんが、どこで作るかよりどのブランドで作るかということが大事なのでしょう。ピレリはいまF1のタイヤサプライヤーとして活躍していますが、どこで作ろうとピレリの品質を保っていることが判りました。
(菰田潔)

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