北海道地震発生。震源から約50kmの道の駅・樹海ロード日高周辺では何が起きていた?【車中泊女子のキャンピングカー生活】

6日午前3時8分ごろ、北海道・胆振(いぶり)地方を震源とする地震が発生しました。被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。震源の深さは約37キロ、最大震度7と推定されており、北海道では観測史上最大。全道停電という未曾有の事態となりました。

 

地震発生時、筆者は北海道沙流郡日高町にある道の駅【樹海ロード日高】にいました。けたたましい緊急地震速報のサイレン音が携帯電話から鳴り響くと同時に、キャンピングカーが激しく揺さぶられました。

震源地である厚真町までは直線距離にして50km程度の場所にも関わらず、幸いなことに道の駅周辺の町は朝7時頃に電気が復旧しました。地元の方によると近くの水力発電で賄われているとのこと。ケータイ(筆者はドコモ)も繋がるし、テレビなどニュースを見ていなかった筆者は「おおごとにならなくてよかった」と誤解していました。

道の駅が休憩地点になっているようで、続々と自衛隊が集結。また隣接のコンビニも開店したため多くの人が来店し、おにぎりやお弁当、パンなどは早々に無くなっていました。

近隣のガソリンスタンドも通常通り営業しており、給油制限もしていません。筆者は前日に帯広で満タンにしておいたのですが、念のため給油し、キャンピングカーの清水タンクにも給水させていただきました。

国道274号を南下すること約40kmほどで、先月お世話になった平取町二風谷(にぶたに)があります。6日当日は、知り合った方と会う約束をしていたのですが、その周辺では電話もケータイも繋がらない状態でした。

どうにか会うことができ、電気も水道もストップしていると知って翌日、お水を持っていこうと道の駅に隣接するコンビニやスーパーに行ってみたのですが、売り切れ。空のペットボトルを何本か持っていたので、水道水をいただけないかスーパーの店員さんに尋ねてみたところ、快諾してくれて助かりました。

道の駅【樹海ロード日高】の道向かいにある【松屋旅館】で6日の夕方から日帰り入浴ができ、道の駅から約1kmほどの沙流川沿いにある【ひだか高原荘】も通常営業。日帰り入浴ももちろん可能でした。隣接のキャンプ場も営業しており、バイカーなど旅行者がテントを張っています。笑い声が聞こえ、そうした光景は「不謹慎」などではなく、オアシス的存在に思えました。

SNSで繋がっている北海道内の友人知人の書き込みを見ていると、「冷蔵庫が使えないので急いでアイスを食べた」「お肉が悪くならないうちにBBQした」「子どもたちとキャンドルナイトを楽しんだ」「星がとっても綺麗で癒された」などなど前向きな投稿が多く、こちらが励まされました。

平取町周辺は、8日午後の時点では電気も水道も(一部を除いて)復旧が進んでいましたが、ケータイは繋がらないまま。筆者はスマートフォンのテザリングでネットに接続しているのですが、富川というところまで行けば繋がると聞いて行ってみたところ、8日時点では速度が著しく遅く、「繋がる」とは言い難い状態です。

そこから更に海沿いの国道235号線を35kmほど東に位置する新冠(にいかっぷ)に住む知人の話では、スーパーの商品も少なく、ガソリンスタンドも長蛇の列だというので、訪問は先延ばしにしました。

道の駅【樹海ロード日高】に戻り休憩中、トラックドライバーであるキャンピングカー仲間さんがちょうど立ち寄られ、ご挨拶することができました。道の駅に立ち寄るトラックの数がめっきり減っていますが、こうして物流が回復し、食糧やガソリンの供給が一日も早く戻る事を願います。

(松本しう周己)

この記事の著者

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松本しう周己

高校は美術科を卒業し、印刷会社のデザイン部に就職するも2年足らずで退職してフリーターに。主にコンサート・イベント関係で全国を駆け回る。その後、なぜかウェブデザインの道へ。仕事としては車との接点はまったくないが旅行好きでドライブ好き、20年前から道の駅などで車中泊していた。
「ネットを通して仕事ができれば、どこにいても構わないのでは」と、2005年、ついにキャンピングカーを自宅兼仕事場としてしまった。根は機械オンチなため、日進月歩の日々。
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