悪魔のクルマが誕生! 永井豪のデビルマンが乗り移ったオロチ「Devilman Orochi」1968万円で1台限定販売

子供の頃、デビルマンという漫画があったのは知っていましたが、ビビリの私は怖くてページを開くことができませんでした。マジンガーZのアニメは毎週日曜日を楽しみに観てましたし、兄貴が買ってくる月刊少年ジャンプの「けっこう仮面」が、親に見られないときを見計らってこっそり読んでいた少年期の私に、多大な影響を与えたくださったことも間違いありません。永井先生、ありがとうございます、その節はお世話になりました!

つい、熱いメッセージのようになってしまいましたが、そんな素晴らしいキャラクターを次々と生み出した永井豪先生は今年で画業50年、そして光岡自動車も創業50年らしくコラボ企画が生まれました。それが「デビルマン オロチ」です。

オロチに詳しい方なら「あれ? また生産するのかな?」と疑問に思うかも知れません。オロチとは、当時不可能と思われていた現行自動車メーカー以外での国内型式認定にこだわり、設計、開発に5 年を費やして、ついに2006 年に市販モデルが誕生。2014 年まで生産された日本のスーパーカーです。よってこのコラボ企画オロチは、極上中古車をベースに1台だけのワンオフ車となるんです。

発表会ではオロチ開発当時の思い出話を光岡進会長(当時の社長)は、エピソードをいくつか披露してくれました。

当時の光岡自動車は市販車をベースにクラシックなイメージに大きくイメチェンさせた車両が販売の主流でしたが、それを見た進氏の奥さんが「私はフェラーリのようなかっこいいのがいい」といったのをきっかけにオロチの開発はスタート。

フェラーリなどの模倣をするのではなく、独自の目を引くデザインを目指して欲しいとデザイナーにリクエストしました。

それに応えてくれたのが青木孝憲デザイナー。ヘビ好きの彼は、大蛇をモチーフにし、どこにもないような目を引くデザインに仕上げてくれたそうです。

ネーミングは「大蛇」であったものをヤマタノオロチの「オロチ」にしようと検討。島根を始め、いくつかの町でオロチやヘビ信仰を徹底的に調べ、オロチに落ち着いたそうです。

また開発期間中には、認証を取るため運輸省(当時)の役人とやりあって、多大な努力の積み重ねでお役所を動かしたそうです。

永井豪先生のキャラクターはいろんな商品などとコラボしているものの、クルマとのコラボは初だそうです。永井豪先生は、そういった神話、伝説にもさすがにお詳しいようで、「オロチは最終的に悪さをしたとされていますが、滅ぼされた民族の象徴ではないかと考えられていたりしますし、デビルもキリスト教にとって悪にされた民族だと思います。そう考えると、これも何かの縁だろうなと思います」と説得力のあるスピーチを披露してくれました。

実は今回のお披露目で「デビルマン オロチ」を初めて見たという永井豪先生は免許を持っていないそうですが、運転席に座り、「第一印象でかっこいい、デビルマンの特徴をつかんでくれている」とご満悦の様子でした。ちなみにこの日、9月6日は先生のお誕生日だそうです。

デビルマン オロチは、外観のカラーリングデザインを変更されていますが、「『痛車』のようにキャラクターのはっきりわかるものを貼り付けるようなことはやめよう。単純にデビルマンを描くようなこともやめよう」というコンセプトのもと、デザインされました。

例えば、フロントボンネットには黒い部分がデビルマンの顔のシルエットや羽をイメージさせるように描かれているなど、その魔力が伝わるようにまとめ上げられたといいます。

『 Devilman Orochi 』 (デビルマン オロチ)の購入申し込み方法は、 2018年9月8日(土)午前10時 から 2018年11月15日(木)午後12時まで、光岡自動車専用ウェブサイトから申し込み、応募者多数の場合は抽選により1名を選出。納車は2018年12月を予定しています。

車両価格は 19,680,000 円 (消費税抜き価格 18,222,223 円)で、偶然ですがと言いながら、永井豪先生が画業を始めた年であり、光岡自動車が創業した年の「1968」と一致したそうです。

車両の概要

●型式:ABA-M P1 ●寸法:全長4,560mm×全幅2,035mm×全高1,180mm ●ホイールベース:2,600mm ●車輌重量:1,580kg ●エンジン:水冷V型6気筒DOHC ●総排気量:3,310cc ●最高出力:172kW(233ps)/5,600rpm ●最大トルク:328N・m(33.4kg・m)/4,400rpm ●駆動方式:MR●トランスミッション:電子制御5AT ●HDDナビゲーション ●ETC ●バックカメラ ●リヤウイング ●本革シート ●本巻きステアリング
●初度登録年月:平成 19 年 4 月 ●走行距離:約 3,500km ●車検:な取得して引渡し ●リサイクル料金:預託済み ●車台番号下3ケタ:002

デビルマンオロチは、全国のミツオカショールームなどで展示の予定です。

また、永井豪画業50周年を記念し、同氏の代表作『デビルマン』がアニメーション作品『DEVILMAN crybaby』の作中で、「オロチ」をモチーフとしたスーパーカーが、飛鳥了が駆るクルマとして登場するそうです。

(clicccar編集長 小林 和久)

【関連リンク】

申し込み先:https://www.mitsuoka-motor.com/devilman-orochi

この記事の著者

小林和久 近影

小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務めた。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
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