【SUZUKA 10HOUR】復活の34号車・Modulo Dorago CORSEの新生NSX GT3が見事完走

午後6時30分頃になると日も落ち、全車にライトオンの指示が出されます。SUZUKA 10Hのエンディングはこのライトオンによるナイトセッションとなるのです。路面温度が冷えてきて、むしろラップタイムが向上しやすくなるナイトセッション。視界が著しく悪くなる中で、実は激しいバトルが繰り広げられていくのです。

激しいバトルの末、午後8時のチェッカーフラッグ。あの不運のクラッシュからの奇跡の新車導入。そこから少ない時間でセットアップした34号車は無事に完走を果たします。

ラストスティントを担当した小暮卓史選手は、パルクフェルメでマシンから降りた瞬間に起こった大声援に手を振って応えます。

そしてサインガードに駆け寄ると鄭永熏監督と熱い握手を交わしました。

34号車は総合21位でのフィニッシュ。「SUPER GTではヨコハマタイヤさんがマシンの特性やコースに併せて様々に組み合わせを提供してくれますが、ワンメイクのピレリタイヤではスペックを変えるということは出来ず、終始セッティングに苦慮しました。NSX GT3がセッティングできる範囲の外にピレリのピークがあるような感じで、サスペンションだけではなくドライビングでも合わせ込むようなことが必要になっていました。海外チームはピレリタイヤを熟知しているのが私たちとの大きな差ですね」とレースの苦労を語る道上選手。

しかし、準備が出来る時間が短い中で完走できるまでにマシンとチームを作り上げたことに対する評価は非常に高く、特別賞とも言えるメディア賞を受賞。

順位に憂うのではなく素直に完走を喜ぶ姿が印象的でした。

来年も参加しますか?という問いに「今回のレースでピレリのこと、マシンのことなどわかった事はかなり多い。来年もぜひ参加したい」と鄭永熏監督が熱く応えてくれました。

ピレリとヨコハマでは全くセッティングが違いますが、新車のマシンを10時間走らせて得たデータはSUPER GTでも多分に生かせるとのことで、今シーズンのSUPER GT後半戦にも大きな期待がかかります。SUPER GTでは同じマシンをModulo KENWOOD NSX GT3として注目していきましょう。

(写真・文:松永和浩)

この記事の著者

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松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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