2018年4〜6月期決算が好調のトヨタ、米国が検討中の「追加関税」発動時の影響を懸念

アジアや欧州などの海外販売が好調で経費削減も寄与し、2018年4〜6月期の連結純利益が6,573億円(前年同期比+7.2%)と、3年ぶりに過去最高を更新したトヨタ自動車。

その一方で、同社は米トランプ政権が検討している輸入車への追加関税(2.5%→25%)などで経営の先行きに不安を抱えているようです。

8月3日にトヨタが都内で開いた決算発表では、白柳専務役員が「発動された場合、米国への輸出車1台当たり約67万円の負担増になるなど、影響は非常に大きい」と述べています。

トヨタでは国内のほか、カナダ・メキシコからも米国向けに輸出しており、8,400億円/年程度の営業利益減少が発生する模様。さらに関税は部品にもかかるため、米国で生産している主力車「カムリ」の場合約20万円/台、ピックアップトラック「タンドラ」の場合、約30万円/台程度コストが上昇するそうです。

また米国がすでに実施した鉄鋼/アルミニウムの輸入制限では、2019年3月期に100億円程度の減益になるとの見通しを示しました。

こうした状況から、同社は車両技術の共通化などでコストを削減する生産・設計手法「TNGA」の導入車種を拡大して対応する模様で、国内生産車の商品力向上や、国内販売増で影響を吸収する考えのようです。

Avanti Yasunori・画像:TOYOTA)

【関連記事】

2018年上半期のレクサス世界販売が過去最高を記録。販売台数32.8万台(+7%)
https://clicccar.com/2018/08/03/615126/

トヨタが米国で販売する人気SUVは輸入車。追加関税導入なら車両価格アップ
https://clicccar.com/2018/07/25/611926/

米国の首都にトヨタ従業員が集結! トランプ政権の輸入関税・25%に抗議
https://clicccar.com/2018/07/22/611130/

米国内からも異論噴出 輸入車への追加関税(25%)に関する公聴会が米国で開催
https://clicccar.com/2018/07/21/610892/

この記事の著者

Avanti Yasunori 近影

Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
続きを見る
閉じる