次期トヨタ「スープラ」の開発に込めた多田チーフエンジニアの想いとは?

英国で先頃開催された「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」において、トヨタ自動車が開発中の「新型スープラ」の走りを披露。観客が注目するなか、「ヒルクライム」で1.9kmを走行しました。

開発責任者であるトヨタ自動車の多田哲哉チーフエンジニア(CE)がステアリングを握る同車はサーキットにエンジンサウンドを響かせ、FRスポーツ車の頼もしい走りを披露。

多田CEによると、通常の開発サイクルが3年のところ、同車の開発には2倍の6年の歳月をかけているそうで、グッドウッドで走行を披露できた際は感慨ひとしおだったようです。

「スープラ」の開発では「トヨタ86」の開発経験が有ったため、高いレベルから開発をスタートさせることができたそうで、車両重心を更に低くし、高価なカーボンファイバー材料を使用せずに同社のスーパースポーツ「LFA」と同等の車体剛性を確保。

今回、「グッドウッド」で走行を披露した際は、周りのスーパーカー達の中で、価格的に一番安いであろう同車が最も大きな歓声を得たと言います。

多田CEは、新型の開発にあたり、歴代「スープラ」への敬意を表したいと考えているそうで、エキサイティングで一目で同車と判るデザイン、直6エンジン/FR駆動の継承、官能的なサウンドを追求。30年後に同車に再会した際、どれほど良いクルマだったかを語れるのが理想とか。

2002年に生産を中止した「スープラ」は、本年3月のジュネーブショーでレーシング仕様のコンセプトモデル「GR Supra Racing Concept」として復活を遂げ、来年前半から世界各国で市販を予定しているそうです。

Avanti Yasunori・画像:TOYOTA)

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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