避暑地といえば鍾乳洞。高原や渓流に勝るとも劣らぬ魅力を再確認【車中泊女子の全国縦断記】

毎年のように夏は北海道で過ごしている筆者ですが、一昨年(2016年)は地元・熊本でキャンピングカー生活を続けていました。その暑さにはほとほと参ってしまい、日々、少しでも涼しい場所を求めてドライブしたものです。

そこで「避暑地」として再認識したのが前回の渓流釣り堀であり、今回ご紹介する鍾乳洞です。

洞窟内部は年間を通して約15度前後と、夏は涼しく冬は暖かく感じます。何千何億年という気が遠くなるような年月がつくりあげた自然の造形を楽しみながら涼もとれる鍾乳洞、今回は筆者が訪れた中から4ヶ所を紹介します。

【風連鍾乳洞】
大分県臼杵市野津町大字泊1632
電話/0974-32-2547
営業時間/3月〜10月 9:00 〜 17:00、11月〜2月 9:00 〜 16:00
料金/大人(高校生以上)1,000円、小・中学生700円

大正15年(1926)に発見されました。出入口が一方にしかない閉塞型の鍾乳洞なので外気の侵入が少なく、風化をまぬがれ均整のとれた美しい形で成長しており、光沢があって純白に近いのが特色です。洞の奥行きは500m。「風連洞窟」として国の天然記念物に指定されています。

【球泉洞】
熊本県球磨郡球磨村大字大瀬1121
電話/0966-32-0080
営業時間/4・5・6・7・9・10月 9:00〜17:30、8月 9:00〜18:00、11・12・1・2・3月 9:00〜17:00
料金/大人(高校生以上)1,100円、中学生800円、小学生600円、幼児・3歳以上450円

昭和48年(1973)に発見されました。第一本洞と第二本洞を合わせると、延長なんと4,800m! 九州最大の鍾乳洞であり、現在でも少しずつ侵食を続けています。およそ3億年前に海底にあった石灰岩層が隆起してできたと推測されており、独自の生態系を持つ洞穴生物が生息しています。

地底200mに挑戦する【探検コース】(別途800円)も人気。ハート形の石があることから、『恋人の聖地』に選定されました。

目の前を流れる日本三大急流の一つ・球磨川は急流下りほかラフティング、球磨川鉄道などで知られる観光名所です。

【龍泉洞】
岩手県下閉伊郡岩泉町岩泉字神成1番地1
電話/0194-22-2566
営業時間/5〜9月 8:30〜18:00、10〜4月 8:30〜17:00
料金/大人(高校生以上)1,000円、小・中学生500円

別名:岩泉湧窟(いわいずみわっくつ)。総延長約3,600m、高低差は約249m。秋芳洞(山口県美祢市)・龍河洞(高知県香美市)と共に日本三大鍾乳洞の一つに数えられています。国指定天然記念物。

「ドラゴンブルー」と称される美しい地底湖は、「龍泉洞地底湖の水」として昭和60年(1985)名水百選にも選定されました。

道向かいに位置する【龍泉新洞】はダイナミックさには欠けるものの、フローストーン、カーテン、ストロー、石筍など見応えは引けをとりません。岩手県内では最古のものと言われており、ここから土器や石器、動物の骨などが出土しています。地質学/考古学/洞穴学などから見ても貴重な資料であるため、【日本の地質百選】にも選定されています。残念ながら撮影は禁止です。

【当麻鍾乳洞】
北海道上川郡当麻町開明4区
電話/0166-84-3719
営業期間/2018年は、4月28日(土)〜10月28日(日)まで
営業時間/9:00〜17:00
料金/大人(高校生以上)500円、小・中学生300円

昭和32年(1957)に発見されました。全長135m、高さ7〜8m。「当麻(とうま)」という地名の語源は、アイヌ語の「トウ・オマ(沼、湿地のあるところ)」。

昔々、雲の中から突如として夫婦龍があらわれ大空を舞っているのを目撃したアイヌの人々は、この土地の発展を願い守り神として崇めました。こうした龍伝説があることから、別名:蝦夷蟠龍(ばんりゅう)洞と呼ばれています。蟠龍とは、とぐろをまいた龍という意味で、すなわち当麻鍾乳洞は龍の寝床とされているのです。北海道指定天然記念物。

鍾乳洞見学を終えて外へ出ると、眼鏡はもちろんカメラなども気温差によって曇る(結露する)ので、しばらくはタオルなどでカバーしておくといいですよ。三脚の使用は禁止しているところが多いですので、ご注意ください。

また、冷え性の方はシャツなど1枚羽織るものを持って行くこともお忘れなく。

(松本しう周己)

この記事の著者

松本しう周己 近影

松本しう周己

高校は美術科を卒業し、印刷会社のデザイン部に就職するも2年足らずで退職してフリーターに。主にコンサート・イベント関係で全国を駆け回る。その後、なぜかウェブデザインの道へ。仕事としては車との接点はまったくないが旅行好きでドライブ好き、20年前から道の駅などで車中泊していた。
「ネットを通して仕事ができれば、どこにいても構わないのでは」と、2005年、ついにキャンピングカーを自宅兼仕事場としてしまった。根は機械オンチなため、日進月歩の日々。
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