こんな展開ある? 雨を味方につけ、最後まで諦めなかったルイス・ハミルトンが大逆転優勝【2018年F1第11戦ドイツGP】

雨が降っている所と降っていない所の差が激しく、雨量の多い場所ではドライタイヤには厳しくスピンしたり曲がれずコースオフするドライバーが続出! タイヤチョイスが非常に難しいコンディションとなってきました。

そして53周目、衝撃の映像が飛び込んできました。トップを走行中のベッテルがターン13で曲がり切れずコースオフし、グラベルで止まりきれずそのままタイヤバリヤにクラッシュしてしまい、たくさんのファンが見守る目の前でリタイアとなってしまったのです……。

ステアリングを叩き、砂利を蹴ってとても悔しそうなベッテル。「みんなごめんね……」と涙声でチームに謝る姿に、見ている私も涙が出そうになりました(涙)。

ベッテルのリタイアより、セーフティカーが導入。その間にボッタスとライコネンがピットに戻りウルトラソフトタイヤに交換したと同時に2人の順位が入れ替わりました。ウエットタイヤを履いていたドライバー達も、続々とドライタイヤに交換します。

この時点の上位勢の順位は、首位ハミルトン、2番手ボッタス、3番手ライコネン、4番手フェルスタッペン、5番手ヒュルケンベルグです。

58周目にレースが再開するとボッタスがハミルトンにしかけ、サイドバイサイドの激しい争いを見せましたが、ハミルトンはポジションを守りきりました。ボッタスへチームから「ポジションをキープしろ」と注意が入ります。

そしてまだ濡れた路面もある難しいコンディションの中、ハミルトンが見事優勝! ボッタスも2位を守り、メルセデスは母国GPでワンツーフィニッシュを果たしました。

予選でトラブルのためマシンを降り、コース上でマーシャルと一緒にマシンを押しなんとかセッションに戻ろうとしたハミルトン。しかしその願いは叶わずマシンを止めることとなり、その場に座り込んでしまった姿は印象的でしたよね。

そんなハミルトンが表彰台の真ん中で笑顔でジャンプをしているなんて、誰が想像していたでしょう!

決勝後のインタビューで「勝てるだなんて信じられなかったでしょう?」という質問に

「いや、信じていましたよ。もちろん14番手スタートからというのは難しいですけどね。でも、いつも信じなくてはいけないんです。スタートの前に祈って、ファンのサポートを見て、とにかく落ち着いてポジティブに考えていました。こんな事ができるなんて信じられないけど、でもプッシュして信じて、優勝は今日の夢だったんです。良い仕事をし、最高のクルマを与えてくれたチームに本当に感謝しています。僕を信じてくれて、僕も彼らを信じて……。それが形になったんだと思います」

と感慨深げに答えていたハミルトンに、最後まで諦めず信じ続ければ願いは叶うことの大切さを教えてもらったように思います。

ドイツGPリザルトは以下の通りです(ポイント圏内のみ)。

順位/No./ドライバー/チーム
1/#44/ルイス・ハミルトン/メルセデス
2/#77/バルテリ・ボッタス/メルセデス
3/#7/キミ・ライコネン/フェラーリ
4/#33/マックス・フェルスタッペン/レッドブル
5/#27/ニコ・ヒュルケンベルグ/ルノー
6/#8/ロマン・グロージャン/ハース
7/#11/セルジオ・ペレス/フォースインディア
8/#31/エステバン・オコン/フォースインディア
9/#9/マーカス・エリクソン/ザウバー
10/#28/ブレンドン・ハートレー/トロロッソ

(yuri)

この記事の著者

yuri 近影

yuri

2006年のF1日本GPを観に行ってから、どっぷりF1&ジェンソン・バトンにはまってしまったF1女子。F1が大好きですが、車の運転は下手(小林編集長お墨付き)、メカニズムも苦手、だけどドライバーの知識と愛だけは自信あり! もっと気軽にF1を楽しんでもらいたい、好きになってもらいたいという気持ちで執筆活動をしています。
趣味はバトンの追っかけと、F1海外観戦。現在は新米ママとして子育てに奮闘しながら、のんびり記事を更新中。あたたかーい目で見守っていただけると嬉しいです。
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