【週刊クルマのミライ】ホンダ・クラリティPHEVのエンジン熱効率は40.5%。ハイブリッドはエンジンを進化させる!?

ホンダからクラリティPHEVが登場しました。メーカー希望小売価格588万600円というプラグインハイブリッドカーは、エンジンをかけずにバッテリーの電気だけで走行できるEV航続距離を114.6km(ホンダ調べ)とした、電気自動車に近いPHEVといえます。

しかし、電気自動車に近いからといって、またエンジンの主な役割は発電だからといって、エンジンがなおざりにされているわけではありません。クラリティPHEVに搭載される直列4気筒1.5リッター・アトキンソンサイクルエンジンの最大熱効率は40.5%と世界的に見ても非常に高いレベル。

おそらく1.5リッター”ガソリン”エンジンとしては世界一といえっても過言ではない性能を持っています。

国産に限らず、世界的にみても、ホンダが実現した最大熱効率を超えるのはトヨタのダイナミックフォースエンジン(2.0リッター/2.5リッター)の最大熱効率41%くらいではないでしょうか。そして、ホンダとトヨタに共通しているのは、いずれもハイブリッド用エンジンだということです(トヨタの非ハイブリッド用エンジンの最大熱効率は40%)。

コンベンショナルなパワートレインにおいては「最大熱効率を追求することは実用燃費においてはナンセンスで、最大熱効率にこだわるよりも熱効率に優れた領域を広げることに意味がある」という見方もありますが、プラグインハイブリッドやレンジエクステンダーEVのような一定回転での発電用エンジンとして利用するのであれば、熱効率を高める意義があります。

アイドリングから最大トルク発生回転あたりまでフレキシビリティが求められるコンベンショナルなエンジンよりも、ある程度は発電専用と割り切りことのできるシリーズハイブリッド用エンジンであれば、エンジン熱効率の有利な領域を積極的に使うことができ、最大熱効率のメリットを引き出しやすいパッケージといえるからです。

世界的にパワートレインの電動化がトレンドとなっている現在、内燃機関はハイブリッドカーのパワーソースとして生き残るといわれていますが、電動化時代だからこそ最大熱効率においてブレークスルーが可能になるといえるのかもしれません。電動化が内燃機関を進化させるというパラドックス的な状況なのです。

(山本晋也)

この記事の著者

山本晋也

山本晋也 近影
日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。