新型SUBARUフォレスターには、ターボエンジンが用意されず、2.0L +モーターのマイルドハイブリッド「e-BOXER」、新開発の2.5Lエンジンという、2つの直噴NAエンジンが搭載されています。さすがにポート噴射では限界だったようで、今回の直噴化によりエンジンの90%を新設計したそう。
フォレスターに限らず「SUBARUといえばターボだろう!」という根強いファンの声も聞こえてきますが、現時点ではターボの導入に関してはアナウンスされていません。ただし、先日発表された新中期経営ビジョン「STEP」では、SUVラインナップの拡充が表明されていますので、フォレスター・ターボの追加は期待したいところ。なお、SUBARUでは、ベースグレードを2.5L NAに引き上げたという説明をしています。
先述したとおり、現状では、「FB25」型の2.5L DOHC直噴エンジン車が184ps/5800rpm、239Nm/4400rpmというスペックでトップモデルとなっています。
先代の2.0Lターボ「FA20」は、280ps/5700rpm、350Nm/2000〜5600rpmというスペックでしたから、新開発の2.5L NA「FB25」よりも96ps/111Nmも高かったことになります。それでも、2.5L NAを積む新型フォレスターを急勾配の多いクローズコースで走らせると、とくに動力性能に不満はありませんでした。
確かに、ターボ仕様はブーストがかかった際の一気呵成の加速感は魅力ですし、スペックを見ても明らかのように、絶対的な速さでは2.5L NAを大きく上回ります。
しかし、新型はNAらしいスムーズな加速フィールもあり、アクセル踏み込み時の軽快感を重視したセッティングになっているそう。当然ながらターボラグもないので、ブーストがかかるまでの「間」を我慢する必要もありません。
しかもプラットフォームの「SUBARU GLOBAL PLATFORM」化によりコーナーでの安定感が高まり、コーナリングスピード自体はより高い速度域を維持しやすくなっているのは明らかですから、ターボ派の方もまずは試乗して欲しいところです。
また、2.0Lマイルドハイブリッドの「e-BOXER」と比べると十分といえるトルク感があり、元々秀逸だったCVTがさらに熟成されたフィーリングも得られるのも美点です。
(文/塚田勝弘 写真/塚田勝弘、SUBARU)