テスラが初の海外工場(中国)建設へ 追加関税+25%に対応

米中間の貿易摩擦の影響から25%の追加関税を受け、中国で新車価格の値上げに踏み切った米EVメーカーの「テスラ」。同社は7月10日、上海市とEV生産のための新工場建設で合意し、覚書を結んだそうで、認可が下り次第、早ければ2019年初めに着工する計画のようです。

中国に海外の自動車メーカーが単独出資で生産工場を建設するのは初めてのことで、テスラとしても米国外に工場を設けるのは初となります。生産開始から2〜3年後に50万台/年の生産を目指しているそうで、日経新聞によると新工場は巨大電池工場「ギガファクトリー」や、モーターなどの主要部品、車両組立などを担う拠点になる模様。

これまでは中国による外資規制等により現地生産が実現しておらず米国からの輸出に頼っていましたが、今年に入り中国政府が自動車分野における出資規制を撤廃したことで単独出資での中国進出が可能に。

米トランプ政権が保護主義に傾倒するなか、中国政府は市場開放をアピールする狙いもあるとみられ、テスラはこれを機に最大市場である中国での現地生産により、貿易摩擦などのリスクを回避する考えのようです。

Avanti Yasunori・画像:TESLA)

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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