発売直後のFC3S・RX-7で九州バトルへGO!! が、そのとき九州は・その1【OPTION 1985年12月号より】

1985年10月、その後のチューニング史を一変させる「チューニング・ベース車」FC3S・RX-7が発表されました。300km/hオーバー達成、ゼロヨン(DRAG)新記録樹立、レースの世界でも大活躍…と、FCセブンは発売以降、数々の偉業を成し遂げることになります。

でも、今回の記事は発表直後のため、チューンド版は1台も出現しておりません。

(ほぼほぼ)時代を追ってOPTION誌のバックナンバーを紹介しているこの【Play Back The OPTION】。あと数号後には各チューナーさんの手によるスペシャルなチューンドFCが登場してきます。そんなFCセブンたちを読者の皆様に紹介できるんだなぁ~!なんて想うと、なんだかワクワクしてきます (笑)

の、その前に。Daiちゃんが広報車(記載はないけど、多分)を借り、Daiちゃんの生まれ故郷である九州へバトル相手を求めて旅をしたのですが…Daiちゃんって雨男? 嵐男?? 前置きが長くなりましたが、ではドーゾ!

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ドキュメント 新サバンナRX-7・嵐を呼ぶセブン

<AM11:OO 関門橋>台風20号直下の九州、ニューセブンは強敵を求めて上陸した。

新型RX-7、その実力は真のスポーツカーだ。13Bロータリー+ターボのパワーはノーマルでもそこらのチューンドカーなど、お呼びじゃない。本拠地・広島からニューセブンは関門橋を渡るのだった。

【一番勝負】スーパーチャージド・トレノ by HKS九州サービス

<PM2:30 九州自動車道>台風20号直撃前の九州の空は不気味な雲が凄いスピードで流れていた。

九州自動車道の宮崎方面は、まだ門司からは小倉東までしか延びていない(※1985年当時)。その一区間はクルマも少なく絶好の戦場だ。

一気に関門橋から小倉に殴り込んだセブンの一発勝負は、HKS九州サービスのスーパーチャージド・トレノだ。その4A-Gの特性は2000rpm辺りからの低速トルクにある。ステージ2仕様とはいえ、さすがHKSのボルトオンSC、物凄いレスポンスを発揮する。パワーチェックでは170ps弱をマークしているという。

こちらの新型セブンも低速トルクが向上している。25kgmのトルクをわずか3500rpmで発生するのだが、その秘密はターボトルク自体の他、低・高速に分かれたツインスクロール・ターボやダイレクト式インタークーラーなどにある。

もっともゼロヨンはほとんど目いっぱいの回転でクラッチミートして高速域だけ使うので、2000~3000rpmの低速はあまり関係ない。

しかし、この雨の中じゃ低速の強いSCトレノが抜群のダッシュだ。セブンはタイヤのスリップが激しい。台風の野郎が恨めしい。ドライならSCチューンでも1.6Lの4A-Gとタメの勝負と思うんだ。

そこで次は、高速勝負だ。こうなればセブンの相手じゃない。低速トルクが強力でもSCトレノじゃ、アクセルは踏めないゼ。カムがノーマルということもあり、6000rpm以上は頭打ちになるのだ。こちとら同じFR車でも4WS感覚の足だ。こんな路面でも安定している。150km/h以上でも片手ハンドルなのだ。で、まずは互角の戦果か。次はどいつだ!

この記事の著者

永光やすの 近影

永光やすの

「ジェミニZZ/Rに乗る女」としてOPTION誌取材を受けたのをきっかけに、1987年より10年ほど編集部に在籍、Dai稲田の世話役となる。1992年式BNR32 GT-Rを購入後、「OPT女帝やすのGT-R日記」と題しステップアップ~ゴマメも含めレポート。
Rのローン終了後、フリーライターに転向。AMKREAD DRAGオフィシャルレポートや、頭文字D・湾岸MidNight・ナニワトモアレ等、講談社系車漫画のガイドブックを執筆。clicccarでは1981年から続くOPTION誌バックナンバーを紹介する「PlayBack the OPTION」、清水和夫・大井貴之・井出有治さんのアシスト等を担当。
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