歴史はここから始まった! スーパーチューンド・ベース・マシン「FC3S・RX-7」が新登場!・前編【OPTION 1985年11月号より】

出ました! このとき、FC3S・RX-7がこの世に登場しました!!

皆さんご存知のように、谷田部最高速はもちろん、ゼロヨン(DRAG)、サーキットレース、はたまたボンネビル・スピードトライアルなど、数々のステージで記録を塗り替えることになるFCセブンがOPT初登場です。もちろん、登場直後のノーマルデータの記事ですが、OPTもDaiちゃんも、そしてチューナーの皆さんも、FCがチューニングの歴史に名を連ねるクルマになることを、この時すでに予想していたことでしょう。ではさっそく、メカニズム・チェックからプレイバックです!

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噂の「まんまポルシェ」とは一味も二味も違うピュア・スポーツ弾頭だ
新型サバンナRX-7登場

CDO・30の流麗なボディに秘めた185ps・13Bターボと新マルチリンクのトーコンサスに大注目!

【どっきりメカニズム解剖】

スタイルはやはりポルシェ944に似ている。前後のブリスターフェンダーが944ほどではないが、美しいラインを描く。しかし、バンパー一体のノーズやエアロバック・ウインドウ、台形フォルムによる全体のイメージはまさにスポーツカーと断言できる。

旧RX-7(SA)と比べると、サイズは全長が10mm短くなって、全幅は20mm広くなっているのでワイド感いっぱいだ。タイヤが15インチになったことも安定感を増している。

ハッキリいってポルシェ944と旧RX-7とのミックスという感じもするけど、実車はまったく新しいスポーツカーの誕生といってよい。

その第一の理由がパワーだ。ロータリー最強の13B+ターボのみの設定。最高出力はネット185ps/6500rpmというから、従来のグロスでは210ps以上は確実だ。

ターボのほうにも新アイデアがある。ツインスクロールターボといって、エキゾースト側に低速と高速のふたつの通路を設けて、A/R比を0.4から1.0へ可変させる仕組み。燃料噴射のインジェクターもデュアルになり、エンジン真上の空冷式ダイレクト・インタークーラーの採用もあり、3500rpmで25.0kgmの最大トルクを絞り出している。

エンジンばかりではない。いや、それ以上に「ニューセブン」のスポーツカー度を物語るのがサスペンションなのだ。フロントはストラットだが、アルミ鍛造のAアームで軽くて高い剛性を持たせてある。

そしてリヤが注目もの。独立のセミトレーリングにマルチ・コントロールアームを組み合わせ、ダブルウイッシュボーンの効果を持たせてあるのだが、実は4WS(4輪操舵)の動きをするシステムだ。

その注目すべきポイントが、入力荷重によるトーコントロールで、特にタイヤの横Gによって初期はトーアウト(逆位相)になってハンドルを切った時の回頭性が良く、0.4G以上になるとトーイン(同位相)になりアンダーステアが強まり、高速安定性を高めるわけだ。

そのうえトーコントロールだけではく、キャンバーコントロールの作用もあるのだ。なにしろ安定性とシャープさを追求した理想の足という。

この他、ブレーキは前後に4ポッドキャリパーを採用したり、4W-ABS(4輪アンチロックブレーキ)を用意したり、多くの改良点がある。

ニューRX-7が本格スポーツカーへの大いなる飛躍をしたのは確かだ。

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補器類のタービンや、サスペンション関係も、この時代の最先端を突っ走っている感いっぱいですよね! あらためて読んでみて、なんか「発売当時はそうそう、こんな機能があってこんな仕様だった!」と、懐かしさがにじみ出てくるようです。次回の後編ではFCセブンのインプレッションをお届けいたします。

[OPTION 1985年11月号より]

(Play Back The OPTION by 永光やすの)

この記事の著者

永光やすの 近影

永光やすの

「ジェミニZZ/Rに乗る女」としてOPTION誌取材を受けたのをきっかけに、1987年より10年ほど編集部に在籍、Dai稲田の世話役となる。1992年式BNR32 GT-Rを購入後、「OPT女帝やすのGT-R日記」と題しステップアップ~ゴマメも含めレポート。
Rのローン終了後、フリーライターに転向。AMKREAD DRAGオフィシャルレポートや、頭文字D・湾岸MidNight・ナニワトモアレ等、講談社系車漫画のガイドブックを執筆。clicccarでは1981年から続くOPTION誌バックナンバーを紹介する「PlayBack the OPTION」、清水和夫・大井貴之・井出有治さんのアシスト等を担当。
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