ポルシェ70年の「秘伝の味」をFSWとル・マンで堪能した2日間【ポルシェ・カレラ・カップ・ジャパン第7戦&第8戦】

海の向こう、フランスでは「ル・マン24時間耐久レース」が行われている2日間、日本でも熱い戦いが繰り広げられていました。

舞台は静岡県・富士スピードウェイ。6月16日(土)~17日(日)は「ザ・ワンメイクレース祭り」と題して「インタープロトシリーズ」や、女性だけの「KYOJO-CUP」などが行われ、中でも盛り上がっているのが「ポルシェ・カレラ・カップ・ジャパン(PCCJ)」レース。文字通り「ポルシェ911 GT3カップカー」の、全チームイコールコンディションで戦うガチのレースです。違うのはキャンバー、リヤウイングの角度調整、タイヤ空気圧などと、ボディのカラーリングぐらい 。となると、ドライバーの腕で勝負です。

「ポルシェ・カレラ・カップ・ジャパン2018」は全11戦のシリーズ戦。最後の1戦以外は2日間で2レースずつ決勝が行われます。しかし、予選は土曜日に1回だけ。そこで2戦分のポールポジションをタイムアタックで決めます。なので、1度だけ速いタイムを出しただけでは1戦分のポールポジションしか獲ることができません。2戦分のポールポジションを獲るためには2回トップタイムを獲らねばならないので、安定した速さが要求されるのです。

そして決勝レースの時間は15周または30分間。

今回、富士では第7戦と第8戦が開催され、エントリーは20台。しかし公式練習で1台がリタイアしてしまい、予選に進んだのは19台。レースはアマチュアドライバーの「ジェントルマンクラス」と、その他プロを含めたすべてのドライバーを対象とする「オーバーオール」クラスでクラスチャンピオン&総合チャンピオンを争います。その中には日本はもちろん、世界の舞台での活躍を目指す若手ドライバーもいれば、ポルシェの誕生と同じ70歳の熟練ドライバーも参戦していて、その年齢差はなんと47歳! 年齢にかかわらず、夢と勇気と希望を与えてくれるレースのようです。

ちなみに「ポルシェ・カレラ・カップ」は現在9ヵ国で開催され、日本での開催は2001年から。今年で17年目を迎えています。今、使われている「カレラGT3 カップ」は「タイプ991Ⅱ」。ダイナミックなフォルムと大きなリヤウイングが特徴的で、一方ではフレームやドア、ウインドウなどは軽量化されています。また、今年からABSが追加されたことにより、ドライブの仕方が変わったとのこと。第7戦では予選で1分41秒652というコースレコードを叩き出しながらも、イエローフラッグ中の追い越しによって決勝では2グリッド降格の3番手スタートとなってしまいましたが、スタートで決めて見事優勝した#18号車の上村優太選手(ポルシェ・エンジニア・プログラム)。話を聞くと「1コーナーのブレーキングがポイントですが、今回はうまくできて自分らしいドライブができました」とのこと。

上村選手は第8戦でもポールポジションスタートしましたが、2番手からスタートした#78号車の近藤翼選手(SKYレーシング)に逆転優勝を許してしまいます。この2人はシーズンチャンピオンでも争っていて、この後も注目の若手ドライバーです。

また、ポルシェにとって今年はスポーツカー誕生から70年を迎えた特別な年で、今回の富士では「ポルシェ・カレラ・カップ・ジャパン」と同時に「ポルシェ・エクスペリエンス・ディ2018」が開催され、ポルシェファンと共に70周年をお祝いする特別なプログラムも行われました。

ひとつは2015、2016、2017年の「ル・マン24時間耐久レース」で三連覇した「ポルシェ919ハイブリッド」をEVカーにした「ポルシェ919トリビュート」が世界ツアーを行っていますが、今回の富士でデモランや、「919ハイブリッド」のモックアップに自分の名前を書き込むことができます。