FJデビューの「ターザン山田」は、セナに憧れる期待の天才レーサーだった!・その2【OPTION 1985年8月号より】

【目標・ライバル】

もうここまできたら次はF2です。早く星野さんや中嶋さんを抑えたい。いつまでもあの人たちがトップじゃ面白くないし、見ているほうでもワンパターンでしょ。ライバル? 意識してませんよ。ボクだって走りに関しては自信持ってますから。

ただ、それが結果的に結びつかないだけで。でもやっぱりライバルといったら、生意気かもしれませんが、星野さん、中嶋さんですね。星野さんの速さ、中嶋さんの上手さはさすがです。目標とする人は今、F1で活躍するロータスのASダ・シルバ(※アイルトン・セナ)です。F3からF1へステップアップしてあれだけ走れるんですから。F2よりF3からのほうが速いドライバーが多いですし、それだけF3のレベルは高いです。ボクはF3でそれなりの走りをすれば通じると思います。シルバがF3当時にやったムダのない走りを見習いたいです。

穏やかな口調とは反対に、英ちゃんの目がギラギラ輝いているのが印象的だった。

今までレース一本やりで遊びという遊びは何も知らないという。そんな英ちゃんは今、テニス、ゴルフ、ウインドサーフィンなどをやってみたいと言った。しかし、やらないだろうね、一流になるまで。酒もタバコもやらずにこれだけ真面目にやっている人間なんて、今どき珍しい。

【ストリート派にひとこと】

自分が街中を飛ばして納得いくのだったらいいけれど、ボクはメリットがないんじゃないかと思います。ま、自分がスカッとするのならいいかもしれませんけれどね。

あまり多くは語らなかったが、街で飛ばすのだったらサーキットでも走れば、とでも言いたそうな感じが見受けられた。しかし、後でこっそり聞いたことだが、英ちゃんの免許証もあと1点しか残っていないらしい……。

最後にOPTを見てどう思うますか?と聞いたら、ニヤッと笑った。「こんな暴走チックな内容とレースが上手くミックスされた面白い本があるとは思いませんでしたよ!」

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FJからスタートしたターザン山田さんのレース人生。F3へステップアップ、そしてセナに憧れてF1を目指すレース小僧だったのです。

しかしそのン十年後…まさかバーベキューのように炙られることになるとは! 人生いろいろ、面白いデス! でも今あらためてこの記事を読み、ターザン山田さんを見る目が変わったんじゃないですか? ただのヒール役ではないんですヨ。今後もターザン山田さんの応援、よろしくお願いいたします!!

[OPTION 1985年8月号より]

(Play Back The OPTION by 永光やすの)

 

この記事の著者

永光やすの 近影

永光やすの

「ジェミニZZ/Rに乗る女」としてOPTION誌取材を受けたのをきっかけに、1987年より10年ほど編集部に在籍、Dai稲田の世話役となる。1992年式BNR32 GT-Rを購入後、「OPT女帝やすのGT-R日記」と題しステップアップ~ゴマメも含めレポート。
Rのローン終了後、フリーライターに転向。AMKREAD DRAGオフィシャルレポートや、頭文字D・湾岸MidNight・ナニワトモアレ等、講談社系車漫画のガイドブックを執筆。clicccarでは1981年から続くOPTION誌バックナンバーを紹介する「PlayBack the OPTION」、清水和夫・大井貴之・井出有治さんのアシスト等を担当。
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