【新車試乗 新型メルセデス・ベンツG-Class G500/AMG G63】ほぼ40年越しのフルモデルチェンジでもGクラスが譲らなかったものは?

小さいところではGLA、大きいところではGLS、GLCとGLEではハッチバックとクーペ、2種類のボディを展開し・・と、現在メルセデスのSUVラインナップは都合7モデルの大所帯となっています。よくもまぁ・・という気もしますが、ここまで風呂敷広げても辛うじてとっ散らからないのは、やはり「メルセデス」に「G」という記号を語られるだけで、なんだかオフロードの気配をプンプン感じてしまうからでしょう。

そのネーミング戦略においてのコアとなっているのがGクラスの存在です。NATO軍用車両として開発されたW460に最小限の加飾を加え民生用として販売開始したのは79年のこと。以降ほぼ40年、基本設計を変えることなく生産を続けてきましたが、歩行者保護も含めての衝突安全性、そして恒常的なCO2削減・・といった時代的要件にはさすがに対応が難しくなっていました。

一方で、Gクラスは本来のヘビーデューティさがファッション的にも捉えられ、21世紀に入ってからのSUVブームにあっては埋没するどころかその個性がむしろ際立つようになります。直近2017年の年間販売台数は約2万台。これは2010年のおよそ4倍の数字です。齢30超えての人気急上昇。つまり商売だけのことを考えれば継続生産で全然OKだったと。この状況でフルモデルチェンジ策を捻り出すのは、さすがに難儀だったであろうと思います。