トヨタは2018年2月に次世代パワートレーン、4WDの技術説明会をプレス向けに開催しています。その中核を担うのがアイシングループ。
アイシン精機を中心とした同グループのブースでは、参考出品のプレミアム4WD向け「電気式4WD駆動ユニット(eAxel)」にまず注目です。
2月の技術説明会では、新4WDシステムの「Dynamic Torque Vectoring AWD(ダイナミックトルクベクタリングAWD)」を発表済み。こちらは、状況に応じて後輪のトルクを左右独立で制御するトルクベクタリングが特徴です。
さらに「E-Four」では、電気駆動になる後輪の全体トルクを従来型の1.3倍に増加させ、走行状態に応じて適切に後輪にトルクを配分する新制御が盛り込まれています。こちらは、中容量までのシステムで、中型乗用車や小型SUVへの搭載を想定。つまり、コンパクトサイズが中心になります。
一方、「人とくるまのテクノロジー展2018」のアイシンブースで参考出品された「電気式4WD駆動ユニット(eAxel)」は、ミドルサイズのSUV・ミニバン向けの大容量であるのがポイントです。
モーターと減速部からなるeAxelは、高速域までモーター走行が可能。リヤアクスルに搭載することでプラグインハイブリッド化、さらに、エンジンを取ればEV化にも対応するそう。最大出力は106kW(バッテリー電圧350V)、最大トルクはじつに2400Nmとアナウンスされていて、このトルクは水冷式のモーターを採用することで実現を目指すとしています。
また、コンパクトな設計、そして15650rpmという最高回転数にすることにより、リーズナブルな価格にすることで、こうしたPHVやEVが高価格化しているというコスト面にも対応するのも目標だそう。説明員の方に伺うと、トヨタの「次の次世代E-Four」になる可能性も示唆してくれました。
(文/写真 塚田勝弘)
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