ボディ全体に手を入れることも検討したそうですが、逆に現行アテンザのクオリティが下がってしまうということが分かり、フロントとリヤを変更。なお、セダンに関してはトランクリッドも変わっています。
ボディ全体の骨格を意識したという外観は、「クルマの長さ方向を印象づける」「顔の彫りが深い」という大きな狙いで造形されています。
具体的には、フロントグリルの開口を深めるため、フィンタイプからメッシュタイプとすることで奥行き感を強調。さらに、フロントランプのインナーを内部により入れ込むことで、彫りの深さを表現。とくに、V型を下げた精緻なグリルは見どころのひとつになっています。
なお、フロントグリルのマツダエンブレムの下にフロント用カメラ(360°ビュー用)を、グリルに同化させるようにフロントソナーを配置するなど、パッと見ただけではこうしたセンサー類が分からないような工夫も凝らされています。
一方のリヤまわりも「重心を下げる」、「水平方向に貫く」という印象付けがされています。バンパーは、現行は下部に黒いエリアがありましたが、新型はボディ同色とすることで、質感を高めながら重心を下げるという狙いが具現化。
さらに、エグゾーストパイプを大径化、さらにそのカットを三次元的にして全体に馴染むようにされたほか、ボディとの隙を詰めることで、クオリティアップを表現。また、ポジションをワイドにすることにより、ワイド&ローも演出されています。こうして、内燃機関へのマツダのこだわりがエグゾーストパイプでも表現されたそうです。
ワゴンの方は、セダン同様に「クルマの長さ表現」は同じですが、ボディがしっかりキャビンを支える造形にするため、バンパーエリアのみの変更になっています。
セダンもワゴンも骨格意識を強めたという新型は、従来型の「若々しさ」から「伸びやかさ」にスイッチ。クルマが横を通り過ぎた際に、その長さが印象に残るような造形にしたとのこと。
足元では、19インチアルミホイールのスポーク表現を従来の「しなり」から立体感の演出に変更。ハブからリブの長さを強調することで、新型では径を大きく見せています。また、17インチもスポークの長さを印象づけるデザインになっています。
そのほか、赤いボディカラーを「ソウルレッドクリスタルメタリック」に変更することで、訴求カラーの1つである赤の質感向上も図られています。
(文/塚田勝弘 写真/小林和久)
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