京セラとGLM、自動運転や先進運転支援を見据えた「実走可能」なコンセプトカーを出展【人とくるまのテクノロジー展2018】

さて、今回の京セラとGLMでは、スポーツタイプのEV「トミーカイラZZ」をベースにコンセプトカーとして仕上げられていて、両社の協業は今回が初めて。

走行可能なのはもちろん、京セラ製の12のデバイスが作動し、協調制御されるというコンセプトカー。具体的には、自動運転や先進運転支援システム(ADAS)への活用が期待される高精細カメラ、液晶ディスプレイを搭載。

ほかにも、京セラが得意とするセラミック技術を応用した超薄型スピーカー(ピエゾスピーカー)や、電流で冷却・加熱の温度制御が可能な半導体素子(ペルチェ素子)を用いた温度調整装置(シート温調やエアコンに使用)など、同社独自の12種類のデバイスやシステム、素材が実装されています。

さらに、サイドミラー・ルームミラーには、電子ミラーを採用。高感度の車載用カメラで撮影した車両後方の映像がインパネのモニターに映し出されます。

また、前後左右4台の魚眼レンズのカメラが撮影した車体周辺の映像を合成し表示するサラウンドビューカメラや、高精細液晶ディスプレイに内蔵されたカメラで運転者の視線の動きを認識し、よそ見運転などを警告する「DMS(ドライバーモニタリングシステム)」など、先進運転支援システムを見据えた計9台のカメラとそれと連動するシステムが実装されています。

ほかにも、パネルを指でタッチした際に微細な振動で、実際にあるような立体をクリックしたかのように伝える触覚伝達技術(HAPTIVITY)を搭載したディスプレイや、セラミック技術を応用した高音質なピエゾ(圧電)スピーカー、装飾用に開発された人工オパールなど、計12種類の京セラの技術が組み入れられています。今回発表されたコンセプトカーは、冒頭で紹介した「人とくるまのテクノロジー展2018 横浜」で一般公開されます。

(文/塚田勝弘 写真/塚田勝弘、GLM)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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