個人間カーシェアでシェアしたホンダ・ビートは、どこもかしこも個性であふれていました【等身大インプレ・その1】

キーを受け取って、幌を起こした状態でシートに座ります。中年太りの筆者でも収まりが良いですね。MOMOのD型ステアリングのおかげで、少し太めの膝にも余裕があります。それにしても、お尻の位置が低すぎるくらい低くて、ミニバンに慣れた身には本当に新鮮デス。

メーターもブラックに変更されていて、レッドゾーンは10000回転から! でも純正では8500回転からですし、オーナーさんも以前のエンジンチューンの状況はわからないとのこと。もちろん古いクルマに無理は禁物。高回転タイプとはいえ、ほどほどの回転で走ることにします。

ミッションは5MTで、ニュートラルでは垂直に立っています。直3NA・660ccのエンジンをかけると、シートの後ろから野太く響く社外マフラーの音が勇ましい〜。停止中にステアリングを動かそうとすると「おっ、重いっ」。そうそう、パワステ・レスでした。

「リアリッドを開けてエンジンとご対面」と思っていたら、ミッドに収まるエンジンはほとんど見えませんゾ。エンジン後方には、極小ながらもトランクが備わっています。一方フロントのボンネット下には、テンパータイヤが鎮座。今回のビートは、構造的にもカスタマイズ的にも、本当にどこもかしこも個性にあふれています。

さすがに四半世紀前の軽自動車ですから、正直走りの方は経年劣化の悪影響は避けられないと覚悟していました。ところがところが! 経年劣化のマイナスもさることながら、最近のダウンサイジングターボ車やハイブリッド車とは全く異なる個性がみなぎっており、あまりに走りが楽しく、シェア期間を延長してしまいました。

次回は、街中と首都高での走りについてです。

(星崎俊浩)