【週刊クルマのミライ】これが21世紀のチューニング。コストパフォーマンスの高いブーストアップ

シビック・ハッチバックはダウンサイジング指向の1.5リッターガソリン直噴ターボを積んでいます。そして、日本で生産されるシビック・セダンがレギュラーガソリン仕様なのに対して、イギリスで生産されるハッチバックはハイオク仕様となっています。それでいてノーマルのカタログスペックを比べると7kWアップにとどまっています。

つまり、パワーアップの余地があると考えられます。しかも、ハッチバックには6速MTも用意されています。チューニングのベースとして魅力があると思えます。

そしてHKSの「Power Editor」が可能にしたのは、FK7型シビックのブーストアップです。このパーツを圧力センサーとハーネスの間に割り込ませることで適切な値にブースト(過給圧)を高め、パワーアップを果たすのです。もちろん純正ECU(エンジンコントロールユニット、いわゆるコンピュータ)のプログラムに対応したブーストアップですから、3万7800円のパーツを買えば、ほかに何も必要ないというのも魅力的。ダウンサイジングターボの余力を、うまく利用したリーズナブルなチューニングの提案です。

さらに、この「Power Editor」は、Windowsパソコン(Win 7~10)に無料ソフトをインストールすることで、ユーザーの好みにブースト制御を調整できるというのも注目点。ポン付けだけでなく、自分なりのセットアップも楽しめるツールというわけなのです。

新型シビックというとFF世界最速のタイプRに注目しがちですが、ハッチバックもチューニングを楽しむパートナーとして高いポテンシャルを持っているのかもしれません。

(山本晋也)

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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