SUBARU、群馬製作所における完成検査時の燃費・排出ガス測定に関する調査報告について緊急記者会見

SUBARUは、群馬製作所における完成検査時の燃費・排出ガス測定に関する調査報告について緊急記者会見を行いました。

深々と頭を下げた吉永社長は、冒頭に今回の件について5つのポイントの説明を始めました。

・群馬製作所の抜き取り検査において測定値を書き換えてたことがあきらかになった。
・不正行為には複数の検査員が長年に渡って行っていた。
・問題の背景には完成検査の自覚が乏しい、批判の欠如、企業風土に依頼するものであると認識。
・測定装置に残ったデータですべての車種について、当社の品質基準は満たしていた。
・今回の不正行為はコンプライアンスに大きな問題であり、再発防止策を遂行する。

昨年の完成検査とこの件で、経営責任については、取締役3名の退任、6月の株主総会での社長退任について、発表していますが、自身については真に正しい会社に導くことが経営責任だと、改革を成し遂げることと再発防止策を作成し、役員、従業員の徹底こそ急務だとして、吉永現社長は会長に就任し、会長直轄となる「正しい会社推進室」を設置し、コンプライアンス徹底と再発防止を推進するとのことです。

発表されたものの概要は以下です。

対象となる台数は次の通り。

・燃費・排出ガス測定の対象となった台数 6,939台(全車種:レガシィ、インプレッサ、XV、レヴォーグ、WRX、フォレスター、エクシーガ、BRZ、トヨタ86)
・測定装置等にデータが保存されていた台数 6,530台
・測定値の不正な書き換えが行われた台数 903台

測定方法は、全数検査でなく抜き取り検査。シャーシダイナモメーターで、JC08で測定し、燃費は排ガス中のCO2などを測定して算出されます。バッグに入れて採取し、希釈空気の成分量を測定します。測定データと計算データはエクセルの形式で出力され、そのデータを元に月次報告書が自動的に作成される仕組みです。

不正はそのエクセルデータを書き換えることで行われました。書き換えることができたのは、データ集計画面と集計システム端末からできたといいます。例えば、集計端末からCO2の数値を書き換えると燃費も変わってくるわけです。

この不正は班長の判断でやっていたとして、係長は指示をしていないし、それ以上の上長は認識していないかったそうです。

不正を行った動機は大きく3つとしています。

・ひとつは、計測値には一定の振れがあり、現場の判断では個々の基準がクリアしていないといけないと混同した。
・データが整って見えるようにした。
・計測はppmオーダーの計測で、本来は指し示すはずのないマイナスも計測されることがない。これをゼロ扱いを符号を変えるなどの誤りがあった。

また、心情的には「データのばらつきは科学的な説明を付けられないのも原因になったと付け加えました。

 

次に発表内容を掲載します。

この記事の著者

小林和久 近影

小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務めた。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
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