【新車】トヨタの燃料電池バス「SORA」は災害時の発電機としても機能する!

つまり、路線バスとして開発された「SORA」は、動く発電機として災害時などに電力供給することができるのです。その能力は235kWhといいますから、一般家庭でいえば一か月に相当する供給能力を持っています。つまり、避難所となった体育館や公民館などに十分な電気を送ることが可能。この給電能力から、様々な地方自治体が「SORA」の導入に興味を持っているともいいます。

具体的には、 ボディ後端に用意されたアウトプットを受電・変電装置につなぐことで電力供給を行なうということですが、そのためには事前に各種の設備工事をしておく必要があるといいますから、SORAの能力を引き出すには自治体のレベルで全体をコントロールしながら整備することが期待されます。

なお、車内にも家電が使えるコンセントも常設されていました。緊急時には、こうした電力供給を活かしてお湯を沸かしたり、お米を炊いたりと利用することも考慮されているようです。

●トヨタSORA 主要スペック
全長:10525mm
全幅:2490mm
全高:3350mm
乗車定員:79名(座席22、立席56、乗務員1)
燃料電池形式:固体高分子形
FCスタック最高出力:114kW(155PS)×2
モーター形式:交流同期電動機
モーター最高出力:113kW(154PS)×2
モーター最大トルク:335Nm(34.2kg-m)×2
高圧水素タンク:10本(70MPa)
タンク内容積:600L
駆動用バッテリー:ニッケル水素電池
外部電源供給電力量:235kWh
外部電源供給出力:9kW

(写真:門真 俊/文:山本晋也)

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この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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