【400psオーバーも可能なパワーユニット】
コンプリートカーとして日本最速を目指すなら、なんといっても強力なパワーソースを持たなければダメだ。
そこで使われたのは、5M-GEUをベースに3Lにチューンし、ツインターボを装着するという手段。しかも燃料系はマニアックにキャブレターに変更されている。300km/hオーバーしたM300とパワーソースを同一にする。
だが耐久性を考えてチャージ圧を抑え、250km/h巡航レベルにディチューンしてあるのだ。その点、325psのパワーユニットにとってゆとりのパワーといっていい。
パワーを強化した場合、サスペンション、タイヤ、ブレーキのチューニングはストリートにとって不可欠! 最も重要視したいパーツでもある。
まず、サスペンションはダンパーとスプリングのデータを変更してのチューンが行われている。例えばダンパーでは、ピストンスピードで0.8m/sec以上になった時に急激に減衰力が増加するというように設定。つまりコーナリングでGを強烈に感じるようなときに、その能力を発揮するようにしてあるわけだ。だから0.8m/sec以下、つまり通常運転のときにはトヨタ純正のダンパーと大差なく、乗り心地も変わらないように感じるのだ。その差はハードランで!ということになる。
タイヤも文句なしに重要だ。パーツに見合った高性能が要求される。250km/hで何時間も巡航するのだから、ハンパは許されない。それなりのパフォーマンスを持たなければ危険である。
その答えをHKSは、ヨコハマのアドバンA-008で解答した。このタイヤはヨーロッパ向けのもので国内販売されていないが、間もなく販売するという噂はある。基本的にはアドバンHF-Dと同じトレッドパターンを持っているが、中身は全く違うらしい。
ブレーキのチューンでは、ディスクパッドの変更で対処している。ノーマルで4輪ディスク、しかもベンチレーテッドという高級なものが付いているからだ。だからデータ的にはパッド交換というレベルで十分なのだ。が、さらにチューンすることも難しくない。望めば、ディスク径の拡大とか、キャリーパーのツイン化とか……。