チューンド・コンプリートカーの極限耐久テストに挑んだHKSスーパーソアラC240。250km/hオーバーで高速巡行した時間・・・1時間+α。その間にはどんなドラマが待ち構えていたのでしょうか? 今回のその3では、そんなトコロをプレイバックしてみましょう!
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OPT独占レポート 高速極限耐久に挑む!
HKSニューコンセプトカー・スーパーソアラC240
1984年10月2日、AM4:40。HKSスーパーソアラC240はウォーミングアップランを開始した。ファーストドライバーはDai稲田。タイヤやサス、エンジンなどの調子を見ているのかスピードは速くない。2周ほど試走しピットに戻った。そして各部のチェック。マシンに問題はない。ハイチューンドカーとは思えない安定したアイドリングが熟成の高さを物語る。
実はこの日の不安は別なところにあった。再び試走した時、その一番心配していた小雨がパラついてきたのだ。雨はまずい。谷田部のフラットなコースは水溜りができやすいのだ。ウェットなバンクというのもまたシビれる。が、かろうじて空は小康状態を保っている。
AM5:07、耐久テスト開始! 暗闇の中、ソアラははじかれたようにピットを出た。1周め、計測地点の通過速度は243.24km/h。7周めあたりから空が少しずつ明るくなってきた。Daiは安定した速度で周回を重ね、16周走行した後、ピットインした。ここまで計測区間の平均速度は245.79km/h。
が、ラップの平均車速は234.95km/h。これはちょっと遅い。とにかくファーストランは安全第一でブーストを0.7kg/cm2まで落とし、ガスのセッティングもグッと濃くしてあったからだ。もちろんマシンに異常はない。
約3分のピットインでドライバーチェンジ。C240はブーストアップとガスをリセッティングする。2番手は新鋭ドライバー栗山純一。Daiに比べ一段とアウト側に走行ラインを取っている。そのため計測スタッフの直前を通り過ぎるときの風圧はさらに凄くなった。C240が通過するたびに計測地に停車中の電源車が揺れる。ハイスピード時の距離の見切りはさすがにレーサーだ。マシンも快調で走行ペースは徐々にアップ、16周めには256.22km/hを記録しピットイン。