ポルシェがラインナップするスポーツSUVの中でもっとも身近なのが「マカン」。その価格も700万円を下回るくらいですから、ポルシェというブランドを考えると意外と安価だと言えます。しかし、さすがにこの価格帯のSUVとなれば多くのライバルが存在するから、いざ買うとなると悩みはつきません。が、ポルシェというブランド性を考えれば、この『素のマカン』は、かなりお買い得。何しろ『もっとも身近』にもかかわらず、クオリティはポルシェそのもの。普段の足として乗っていても使い勝手はいいし、アウトドアなどを趣味にする人にとっても、その期待にちゃんと応えてくれるのは確かです。
モータリングライターの吉田拓生氏によれば、この『素のマカン』こそ、スポーツSUVを語るうえで欠かせない存在だと語ります。彼自身、趣味でセーリングやアウトドア・ライフを満喫しているというだけに、SUVに求める条件はたくさんあるようですが、そのすべてのわがままに応えてくれると言います。
「ボクにとって『スポーツ』という点が重要なんです。趣味でやっているセーリングは、風を読んで前に進ませますが、こうしたシビアな世界が好きな自分にとってはクルマも同じで、運転していて自分の意思にちゃんと応えてくれないと惹かれることはないんです。その点、マカンは、これだけリーズナブルなのに、ちゃんとポルシェのクオリティを維持していますから、ドライブしていてリアリティが高い。だから普段の足として使っているだけでも『道具』として優れている点に感銘を受けてしまいますね」
さすがはポルシェ! たとえエントリーモデルでも趣味人の高い要求にも応えてくれるのは、お見事だ。
「生粋のスポーツカーメーカーだから出来たことでしょう。それに加えて実用性が高いのもマカンの魅力です。キャンプなんかに出かけるとき、たくさんの荷物を積んでいきますが、マカンはリヤシートを倒さなくても十分なスペースが確保されていますから見た目以上に詰め込めます。しかも乗り心地が抜群に良い。ハンドリングのリアリティが高いのに、ここまで乗り心地が良いのは、他では真似できないと思います。エンジンパワーも十分ですし、燃費も良いですから」
そして、ポルシェということに対して構えることはない、と付け加えます。
「残価設定ローンなどを利用すれば、月々の負担はかなり抑えられます。そう思うと、いまやポルシェはかなり身近になりましたね。それに4気筒だから懐にも優しい。これなら例え厳しい奥さんでも納得するでしょう。それでいてブランド力がありますから。良い買い物をしたと後になって思えることは間違いありませんね」
【ポルシェ マカン】
全長×全幅×全高:4697×1923×1624mm
車両重量:1770kg
エンジン:直列4気筒DOHCターボ
総排気量:1984cc
最高出力:252ps/5000〜6800rpm
最大トルク:370Nm/1600〜4500rpm
価格:699万円
(写真・動画/小林邦寿 文/野口 優)