いずれもBピラーレスでリヤドアがスライドタイプとなっているのはショー会場においてインテリアを見やすくするための工夫であって、こうしたドア形状が次世代というわけではありません。「中を見て欲しい」という意図が込められたコンセプトカーです。
そこで、SUVコンセプトの2台についてインテリアをじっくり眺めていると、共通しているポイントに気付きます。
いずれもフロントシートの床面が上げ底になっていて、そこに何かを収めるという意思の感じられる意匠となっているのです。電動化によって必須となる大型バッテリーを置く場所を確保しているということでしょう。さらにVIZIV FUTURE CONCEPTに至っては、後席足元がフラットフロアになっていることをアピールする処理となっています。
四輪駆動であればセンタートンネルから逃れることはできないという先入観を覆すインテリアです。このフラット化については、モーターショーの段階でリヤ駆動を電動化した、プロペラシャフト・レスの恩恵といった説明もありました。
シンメトリカルAWDをブランドのコア・テクノロジーに掲げるSUBARUですが、その原点といえるSUBARU 1000ではマフラーをサイド部分に通すことで、フラットフロア化を実現しています。AWDでありながらフラットフロアを目指すことは、ヘリテージからも必然なのかもしれません。
独立したシートを見ていると、4シーターなのですが、フロアは後席に3名がしっかり乗れるSUVを示唆しているのです。そのほか、ドアのアームレスト部に周辺センサーのモニターを配置するというUIの提案も確認することができます。
こうして間近に見ることで、様々なディテールに込められた「未来への思い」を感じ取るのも、こうしたイベントならではといえそうです。
(写真と文:山本晋也)
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