【週刊クルマのミライ】新型リーフのパワーアップにはインバーターの冷却強化が効いている

日産の100%電気自動車「リーフ」、そして1.2リッターエンジンで発電してモーターで駆動する「e-POWER」。リーフは2017年のフルモデルチェンジにより、同じ型式のモーターを使いながら、最高出力や最大トルクを大幅にアップ(最大トルクは25%増)していますし、e-POWERについてもノートとセレナでは、やはりモーター出力を25%増しとしています。

内燃機関の感覚でいうと、こうしたパワーアップには駆動モーターの変更が効いていると思いがちですが、電動車にはそうした「常識」は通用しません。新旧リーフにしろ、ノートとセレナのe-POWERにしろ、パワーとトルクを増やした理由はインバーターにあるのでした。

では、現時点でインバーターの性能アップに必要な進化ポイントとは何でしょうか? それは冷却性能のアップになります。

たとえばリーフにおいてはパワーモジュールに直接冷却水を触れさせる構造と変えることで、圧倒的な冷却性能の向上を果たしています。それによって、電流性能を上げることができ、トルクアップを実現したというわけです。さらに、しっかりと冷やすことができるため、ユニット全体の質量も減らすというメリットもでてきました。

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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