日産の100%電気自動車「リーフ」、そして1.2リッターエンジンで発電してモーターで駆動する「e-POWER」。リーフは2017年のフルモデルチェンジにより、同じ型式のモーターを使いながら、最高出力や最大トルクを大幅にアップ(最大トルクは25%増)していますし、e-POWERについてもノートとセレナでは、やはりモーター出力を25%増しとしています。
内燃機関の感覚でいうと、こうしたパワーアップには駆動モーターの変更が効いていると思いがちですが、電動車にはそうした「常識」は通用しません。新旧リーフにしろ、ノートとセレナのe-POWERにしろ、パワーとトルクを増やした理由はインバーターにあるのでした。
では、現時点でインバーターの性能アップに必要な進化ポイントとは何でしょうか? それは冷却性能のアップになります。
たとえばリーフにおいてはパワーモジュールに直接冷却水を触れさせる構造と変えることで、圧倒的な冷却性能の向上を果たしています。それによって、電流性能を上げることができ、トルクアップを実現したというわけです。さらに、しっかりと冷やすことができるため、ユニット全体の質量も減らすというメリットもでてきました。