前回までの記事でOPTION・HOTマシンのフェアレディ300ZXのノーマルチェック~バラバラ事件(!?)を紹介しました。その後1984年1月号ではゼロヨンに挑戦したり(ドラッグスリックにて14秒64)、5月号では最高速にトライしたり(241.21km/h)しています。
で、いきなりですけど、今回ご紹介する11月号ではなんと! 世界耐久レースへの参戦を宣言しました!! HKS、東名自動車などを巻き込んでのレース参戦……。さてど~なることやら? まずは谷田部最高速計測報告から。
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GOサインは出た! OPT300ZX 夢の耐久レース参戦計画
谷田部テスト、合格性能の289km/hクリア!
ついに断は下った! 高速クルージングの高級車に甘んじているV6フェアレディを、再び戦場に放つのだ。メーカーも誰もやらない「レース復帰」をOPTIONはやる。まず第1弾は289km/hの実力を引っ下げてのレース計画発表!
レースでも280km/hの直線スピードは必要だ
280km/h。このスピードは耐久といえどもレースでは最低限・要求性能ではあるまいか。なにしろマシンは3Lターボ。ポルシェ956より大きいのである。
我がOPTの耐久レース挑戦計画の中では、エンジンチューンの可能性が大きくクローズアップされてくる。が、HKSでは「行ける!」と自信満々だ。谷田部テストがこれまでにない緊張の中で開始されたのはいうまでもない。
OPT300ZXの外観はAMEエアロキットを着たまま。が、ボンネットの中の心臓はハードチューンが施されている。
タービンは従来より大型のギャレットT04Bに変えてあるだけだが、カムやピストンなどすべてHKSスペシャルだ。エンジンをかけると図太い音がする。レーシングさせるだけで最高速狙いの高回転チューニングだなと分かる。
VGターボ独自のトルクフルな加速で4速7000rpmあたりから5速へシフトアップする。バンクの強烈なGが首にかかる。が、300ZXはグングン加速して、これまで経験したことのないスピードで直線に出る。バンクから出るとき、凄いパワーなのでノーズが外へ出そうになり、パワーアンダーステアを発生するほどだ。
エンジン回転は6500rpm。ブースト計は0.9kg/cm2を指している。1回目は286.85km/h! 見事にOPTの要求性能をパスしたのだ。
2回目のトライはガスが濃すぎるため補助インジェクターをカット。マフラーもオープンにする。そのおかげでエンジン回転は約100rpmアップし、ブースト圧も1.0kg/cm2まで上がった。
289.74km/h! 水温、油温、油圧すべて異常なし。全く不安のないテストだった。ただし、この最高速チェックにはスピードショップ久保製のコンピューターを採用したことも報告しておきたい。この6500rpm付近になると、エンジン回転リミッターが作動してしまうからだ。
さらにサスペンションもショック/ダンパー強化パーツが無いので、ノーマルのハード状態でトライしたが、ヨコハマの高速用スペシャルタイヤのおかげで安定した走りを示してくれた。
このHKS・VGターボスペシャルの可能性はまだまだ高い。が、最高速は合格だ。今後は1985年のオープニングレースに向けて、耐久性やターボの熱対策のチューニングにとりかかる。むろん、ボディや足まわりの製作他、随時テストランを行っていく。
GOサインは出た! やるゾ。
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1984年3月号にて、セリカM300にて300km/hオーバーを記録し、乗りに乗っているHKSのエンジンチューン・サポートを受けているOPT300ZX。しかし、純粋なるレーシングカーに交じっての世界耐久レース参戦計画…。今後の展開が気になりますネ。次回その4では、OPT300ZX世界耐久レース参戦計画のアウトラインを紹介します!
[OPTION 1984年11月号より]
(Play Back The OPTION by 永光やすの)
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