最強スポーティカー「フェアレディ300ZX」誕生、チューニングの夢が広がる! OPT・Z二代目襲名・その1【OPTION 1983年12月号より】

OPTIONの連載企画「ホットマシン」に、フェアレディ300ZXが選ばれました。OPTホットマシン中、Zとしては2代目(1代目は280Z)となります。そのお披露目をされたのが、この記事です。

OPTが……というよりDai稲田さんがZフリークだということからのマシンチョイスでもあるのですが、1983年9月に誕生した3L・V6ターボの300ZXは当時「ぶったまげ~!」なスペックでの登場です。OPTIONが注目しないわけはありませんね。

さて、このOPT・Zが今後、どのような活躍?話題?? を繰り広げていくのでしょうか……。何回かに分けて紹介していきます。まずは納車後、ノーマル時のDaiインプレをドーゾ!

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OPTION 300ZX 二代目襲名
我がOPTION創刊とともに歩み続けた改造フェアレディZがニューZの登場で、2代目になった。この2代目Zで新しいチューニングやポテンシャルの可能性に再びチャレンジする。目標は300km/hオーバーか、はたまた夢のWRC(世界耐久選手権)挑戦か。
<OPT300ZX新規購入インプレッション>
重量を感じさせない3L・V6ターボの威力 by Dai稲田

とにかくパワーというかトルクの大きさを感じさせる。プラズマV6の3Lターボエンジンは5200rpmで230psのパワーと34kgmというトルクを3600rpmで絞り出すが、低中速域が力強いのだ。

ターボ効果は1速こそ3500rpm以上でないと体感できないが、4速、5速となれば2500rpmくらいで0.45kg/cm2のフルブーストがかかる(エンジン特性的には1600rpmから30kgm近いトルクを発生)。タイムラグもあまりない。街中での加速でもグイと踏み込めば加速するので乗りやすい。ただし、そのまま全開にすると爆発的な加速をするから、すぐアクセルを絞らないといけないほどだ。

エンジンをいじめて超スロー走行をしても、1500rpm以下で走れる。4速40km/hさえ可能なのだから驚く。

それにしても3Lターボの威力はすさまじい。ドライバーを乗せた1400kg近い重量級ボディを軽々と引っ張るのだ。6000rpmまで引っ張ると1速で50km/h、2速90km/h、3速145km/hはアッという間に達する。80→100km/h加速がポルシェをしのぐ3.4秒というのも実感だ。以前のノーマル280Zと比べると雲泥の差である。

中速からの全開加速はハッキリと縦方向のGを感じるので、慣れないと身がすくむ思いさえする。ハンパなチューンドカーでは勝てないほどの性能だ。

コーナリングは安定そのもの。前ストラット/後セミトレーリング式は変わらないが、230psにマッチしたサスチューンが施してある。少々リヤを流そうと思っても滑ってくれないほどだが、やはり限界まで攻め込むと標準の215/60R15サイズのタイヤでも役不足になりそうな感じがする。ゼロヨン発進をすればわずか3500rpmくらいでもホイールスピンするのだ。

さらにうれしいのは4輪ディスクのブレーキが強力な点。しかも大容量の8インチ・タンデムブースターなので踏力も軽く、安定して止まれるのがいい。急ブレーキをトライすると、クルマのほうがドライバーの読みより先に止まるほど。

乗り心地が変化するのもニュー300ZXの特徴だ。3段階のアジャスタブルショックアブソーバーが採用されているからだが、これはMediumでもやや硬いくらいのスポーツセッティングで、街中ならSoftでOKだ。Hardなら全開高速やサーキットランが可能と思われる。

しかし、ドライビングシートのフィーリングは従来のZとそれほど大きな違いはない。室内幅がやや広い気がすることと、前方視界が短いノーズを感じさせ、運転しやすいくらいだ。

この300ZXを楽しむのにネックになるのは、やはりスピードリミッターだろう。速度は180km/h手前で作動するし、エンジン回転も6500rpmほどでレブリミッターが動くのだ。この解決策はいずれ公表するが、そんなわけでニューカーのノーマル全性能がチェックできないのが残念だった。

しかし、メーカーのテスト車では230km/hオーバー、ゼロヨン14.7秒という数字が出ているので国産最速なのは確実だ。

もうひとつのネックはオネダン。2シーターでも320万円というのは高価すぎるはずだ。しかし2Lターボに比べて、この3Lターボはミッションがボルグワーナー製になったり、ドライブシャフトが強化されたり、あらゆる面でキャパシティが高いのでチューニングするにも絶好のボディなのだ。むろん、CD値0.31(エアスポイラー付きで0.30)というエアロダイナミズムの効果もチューニングベースにベストだ。

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スピードリミッター解除ね! そういえばこの時代のクルマ、100km/hオーバーすると「キンコンキンコン」鳴っていたんでしょうか……懐かしい音です(笑)。さて、次回はなんと! 新車の300ZXを!!……というところで、お楽しみに!!

[OPTION 1983年12月号より]

(Play Back The OPTION by 永光やすの)

この記事の著者

永光やすの 近影

永光やすの

「ジェミニZZ/Rに乗る女」としてOPTION誌取材を受けたのをきっかけに、1987年より10年ほど編集部に在籍、Dai稲田の世話役となる。1992年式BNR32 GT-Rを購入後、「OPT女帝やすのGT-R日記」と題しステップアップ~ゴマメも含めレポート。
Rのローン終了後、フリーライターに転向。AMKREAD DRAGオフィシャルレポートや、頭文字D・湾岸MidNight・ナニワトモアレ等、講談社系車漫画のガイドブックを執筆。clicccarでは1981年から続くOPTION誌バックナンバーを紹介する「PlayBack the OPTION」、清水和夫・大井貴之・井出有治さんのアシスト等を担当。
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