その瞬間からOPTスーパーMR2は左右にヨーイングを始めた。ちょうどバンク進入時だった。微妙にアクセルペダルを戻しながら、なんとかマシンの直進性を取り戻す。しかし6000rpmではコントロールが難しい。
この原因は直感的に分かった。空力プラス、足まわりのトー変化やキャンバーなどのアライメントだ。サスペンション関係は強化と車高ダウンだけでアライメントまで調整する時間が無かったからだ。マッドハウス特製のフロントは十分効いて、ノーマルのリヤのほうがややダウンフォース不足のような気がしたほどだ。
結果的にはストレートで5800rpmくらいが安全に走れる限界だった。それでもステアリング修正が必要だ。
第1次テスト、236.84km/h。しかし、この記録は素晴らしい。4A-Gチューンでは最速の座だ。アライメントさえ決まれば楽に6500rpm近くまで回る感触があった。
「スピードも目標以上だし、それよりうれしいのは耐久性です。MR2の弱点と思われる熱対策が完全だったことが証明された。次回がさらに期待できる」。時実さんのこの言葉が、第1次高速テストの大成功ぶりを物語る。いや~良かった良かった。
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初谷田部でこの時の4A-G最速を記録したOPTスーパーMR2。Daiちゃんもクソ度胸で踏んだようです! 次回その4では、OPTスーパーMR2のメカニズムを見ましょう。
[OPTION 1984年10月号より]
(Play Back The OPTION by 永光やすの)