10年以内に不足する? トヨタが開発した省ネオジム耐熱磁石は電動化拡大に向けての大きな布石

駆動モーターに使われている耐熱磁石から、いわゆるレアアース、レアメタルを低減するのは従来からのトレンドで、すでにレアメタルの「テルビウム(Tb)」、「ディスプロシウム(Dy)」の使用量を減らしても耐熱性を確保する手法は確立されています。トヨタが発表した省ネオジム耐熱磁石は、テルビウムやディスプロシウムの使用量をゼロとし、さらにネオジムの一部を「ランタン(La)」、「セリウム(Ce)」に置き換えることで、省ネオジムを実現しているのがポイントです。

ランタンやセリウムもレアアースですが、相場でいうとネオジムが100ドル/kgなのに対して、ランタンやセリウムは5~7ドル/kgと桁違いに安く、また供給量も豊富。そのため、モーターの生産量を増やすと同時に、コストダウンも期待できるというわけです。ただし、単純にネオジムにランタンやセリウムを混ぜればいいという話ではありません。

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山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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