駆動モーターに使われている耐熱磁石から、いわゆるレアアース、レアメタルを低減するのは従来からのトレンドで、すでにレアメタルの「テルビウム(Tb)」、「ディスプロシウム(Dy)」の使用量を減らしても耐熱性を確保する手法は確立されています。トヨタが発表した省ネオジム耐熱磁石は、テルビウムやディスプロシウムの使用量をゼロとし、さらにネオジムの一部を「ランタン(La)」、「セリウム(Ce)」に置き換えることで、省ネオジムを実現しているのがポイントです。
ランタンやセリウムもレアアースですが、相場でいうとネオジムが100ドル/kgなのに対して、ランタンやセリウムは5~7ドル/kgと桁違いに安く、また供給量も豊富。そのため、モーターの生産量を増やすと同時に、コストダウンも期待できるというわけです。ただし、単純にネオジムにランタンやセリウムを混ぜればいいという話ではありません。