スポーツカーの理想と称されていたミッドシップカーは、国内にはまだ1車種も生まれていなかったこの時代。国産初ミッドのMR2でさえ、翌年にならないと発売されません。
そんな時代のOPTホットマシン作戦、シティ・ミッド化計画は、F1の解説でもお馴染みの森脇基恭氏率いるノバ・エンジニアリングによるレーシング・ノウハウを盛り込み、製作は着々と進行しています。そして、ついに! 夢のスポーツカー製作は連載3回目にて、早くも初試走!という超ハイペースです。さて、その乗り味は? 完成度はどうなのか? さっそくチェックしてみましょう!
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MRは異次元の感覚だ。しかし、ステアリングが切れすぎる?
ついに国産初の市販ミッドシップが走った。むろん、メーカー製ではなく、OPT特製のシティ・ターボだ。が、サスに問題が発生。本格的なマシン作りの困難さを知った。でも、頑張るゾ!
【興奮インプレ】
シティ・ミッド・ターボは、静かに待機していた。外観はまったくノーマルのFFシティだ。ただ、リヤの下部から見える横置きにされたマフラーだけが奇妙だと感じる。
室内を覗くと、リヤシートがなく、アルミボックスに成型されている。リヤに移された100psの1.2Lコンバックス・ターボが、眠りから覚めるのを待っているのだ。
興奮する気持ちを抑えて、コクピットに入る。シートやメーター類のインパネも、ノーマルと変わらない。エンジンキーをひねる。ウォンと1発始動だ。ホッとする。走れるように作ってあるとはいえ、まずエンジンが調子よく回ってくれたのがうれしい。エンジン音は、リヤシートから聞こえてくる。この音が、ミッドシップカーの実感だ。
ギヤを1速に入れる。エンジンはリヤに移植したが、シフト位置はノーマルと同じでシフトパターンも変わらない。しかし、シフトリンケージが長いので、フィーリング的にはややダルな感じがする。サイドブレーキはない。リヤにフロント用ディスクブレーキをそのまま使用しているので、サイドブレーキを付けるのが難しいからだ。