【スズキ・クロスビー試乗】ちょうどいいサイズ感とファニーなデザインが正しい感じの「使える」クルマ

スズキが東京モーターショーに出展していた小型SUV、クロスビーが市販されました。見た目はハスラーとよく似ていますが、軽自動車ではなく1リットルのエンジンを搭載しています。

クロスビーに乗ってみるとじつに日本の道路とのマッチングがいいクルマだなと感じます。例えば、オシャレな家庭用品を売っているイ●アみたいな店で、素敵なファニチャーを買ったらじつは使いづらかった…みたいなことがあるじゃないですか。それが実用品が充実しているニ●リに行くとやっぱり使いやすい商品があった……そんな感じを受けたのがクロスビーなんです。

クロスビーのプラットフォームはソリオやイグニスと同じです。軽自動車のハスラーと似たスタイリングなので軽自動車ベースのクルマと思われがちですが、クロスビーはあくまでも小型車として作られたモデルです。

 

パワーユニットは1リットルの3気筒エンジンにマイルドハイブリッドを組み合わせたものです。この3気筒エンジンだけでも十分に実用的なのですが、マイルドハイブリッドが組み合わされたおかげで発進のスムーズさや、低速からの加速での余裕感などが感じられます。アイドリングストップからの再始動はISG(モーター機能付き発電機)が行うので、あのイヤらしいセルモーター音もありません。

車高を高く設定しサスペンションストロークをしっかりと確保していますので乗り心地はいい部類です。ただし、ホイールベースが短いのでクルマの動きは敏感さがあります。SUVというスタイリングですが、パッケージング的にはハイトワゴンに近いものです。

ただ、残念なのはSUVっぽいスタイリングを得るためにリヤゲート開口部を高くしてしまったことです。撮影時の移動のためにバッグを乗せようとしたカメラマンはかなり辛い思いをしていました。

(文:諸星陽一/写真:前田 惠介)

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諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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