東京オートサロン2018最終日となった1月14日、アップガレージブースではレースクイーンユニット「ドリフトエンジェルス」2017年シーズンのメンバーの卒業式が行われました。
スーパーバイザーの南香織さんから一人ずつに「送辞」が贈られ、さながら卒業式のよう。それに対して、一人ずつメンバーから、集まったファンに対して、また一緒に時間を過ごしてきたチームスタッフに、感謝の言葉を述べていました。
また、あまりこうした例はないとのことですが、かつて一緒にドリフトエンジェルスとしてチームを盛り上げ、そのあともレースクイーンとしてスーパーGTを盛り上げてきた千葉悠凪さん、日野礼香さんの二人が、今シーズンを最後に一切のモータースポーツ関連の活動から引退をするとの発表を受けて、OGの最後のステージである「引退式」も引き続き開催。
2018年の東京オートサロン自体もまもなく閉幕という午後3時、アップガレージブースには今まで応援してきたメンバーたちの最後のステージを一目見ようとファンたちでにぎわいを見せました。人気レースクイーンが集まるという以上に、なかなか感動なくしては見られないステージを振り返りたいと思います。
まず、2017年のメンバー、安田七奈さん、村上麻莉奈さん、神尾美月さん、横田りかさんの4名は、東京オートサロン2018を最後に活動を終了し解散。1人1人に対し、プロデューサーの南香織さんから卒業証書が授与され、OGでありコントローラーとして一緒に活動した立花かなさんによるサプライズ動画も上映され、年間を通して蓄積されたエピソードをファンと一緒に振り返ります。
キャリアも様々、そしてこれまでのいろんな経歴を経て、縁あって一緒に活動してきた4名。たしかにチームへ愛やそしてファンとの一体感など、想いは各メンバー強く持っていたにせよ、ファンの前でそれを形にするというのはたやすいことではありません。しかし、メンバー自身で悩み、それぞれの個性が一様ではないからこそ、それが次第にこのメンバーでしか放つことのできない輝きになっていく。この場で披露されるエピソードや、動画で一緒にシーズンを振り返るだけでも、ただ単に一年間ドルフトエンジェルスのメンバーだったというわけではなく、様々な試行錯誤や、そこから多くのものが生み出されたこと。そしてそういう真剣に過ごした時間を経たからこそかけがえのない時間になったのだという、人間のドラマのようなものを垣間見ることができました。感動なくしては語れない、そんなセレモニーになりました。
そして、過去にドリフトエンジェルスとして活躍し、それ以降もモータースポーツシーンで活躍してきた千葉悠凪さんと日野礼香さんの引退式。そこで、二人のドリフトエンジェルスOGの引退式のステージをアップガレージとして用意すること自体もまれなことですし、他のチームでもなかなか例のないことです。それだけドリフトエンジェルスにとしても忘れることのできない二人であり、惜しむ声も多い二人ということに他ならないでしょう。
「ドリフトエンジェルスとして活動して得たことは、そのほかの活動をしていくうえでも大きな糧となりました」と日野さんがコメントすると、「とにかくありがとうございます。レースクイーンとして活動したの時間のことは一生忘れません」と言葉を詰まらせながら千葉さんもコメント。ドリフトエンジェルスだけを応援してきたわけではない人でも、モータースポーツや自動車関連のイベントで彼女たちの活躍を見たことがある、という人は少なくないと思います。どうしてそうなったのか、そしてなぜ、ファンからそこまで親しまれるのか。その理由も、彼女たちのキャラクターを見て、コメントを聞いているだけでも自然と理解できるような気がしました。
最後に、2017年のメンバーと人気レースクイーンの引退を惜しむために、会場に集まっていた他のドリフトエンジェルスOGらがステージ上に上がり、歴代「ドリフトエンジェルス」の継承テーマ曲「I’m your Angel」を披露。集まったファンも一緒に歌い、佳境に入った2018年の東京オートサロンの会場中に彼女たちの最後のパフォーマンス、歌声が響き渡っていました。。
この一年を駆け抜けた人たちの人生の1ページの最後のセレモニー。そこでシーズンや、様々なエピソードを振り返ると、人もクルマも「道」を駆け抜けているということを改めて強く感じさせられたものでした。そして縁あってそこに集い、一緒に感動し、喜び、悔しい思いを共有した仲間との最後のひと時は、感動のうちに過ぎ去っていきます。
「スーパーGTを盛り上げる!!」ドリフトエンジェルスはもちろんそういう立場であることは間違いないありません。しかし、彼女たちにも、駆け抜けた本人にしか解らない経験や、本人だからこそ筆舌に尽くしがたい感動に遭遇する景色があると強く感じました。
毎年オートサロンの取材をしてきましたが、この卒業式、なかなか感動的で、やはり「クルマの横で繰り広げられるドラマ」を感じました。何かオートサロンらしさのようなものを感じたのでした。
ラストステージでファンの前に立つドリフトエンジェルスのメンバー。ここで卒業し、引退する彼女たちは、これからも皆それぞれ様々な場所でまた活躍されるに違いありません。彼女たち一人ひとり、そしてこれからのドリフトエンジェルスの活動も、陰ながら応援していきたい。そんな感動の卒業式とドリフトエンジェルスOGの引退式でした。
(中込健太郎)