2018年1月17日(水)〜19日(金)、東京ビッグサイトで開催されている「オートモーティブ ワールド2018」。
「オートモーティブワールド」は、「[国際]カーエレクトロニクス技術展」、「EV・HEV 駆動システム技術展」、「クルマの軽量化技術展」、「コネクティッド・カーEXPO」、「自動車部品&加工EXPO」、さらに今回初登場となった「自動運転 EXPO」という6つの展示会で構成されており、今回は前回よりも140社増の1100社が出展するという、過去最大規模での開催ということです。
6つの展示会のうち、「クルマの軽量化技術展」のテーマである「軽量化」といえば、超ハイテンと呼ばれる高張力鋼やアルミ、そしてカーボン(CFRP)への置換というのが定番でしょう。この展示会でも、それらの素材や接合技術などの出展が目につきます。
大阪市西区に本社を構える栗本鐵工所も出展していました。もちろんCFRPがメインの出展ですが、完全撮影禁止(一般入場者はもちろんプレス関係者もNG)という部材が展示されていました。ちょっと離れてブース全体を撮影してみましたが、向かって左側の展示台に載せられている白っぽい角材がそれです。
この展示会がスタートする5日前の1月12日に正式に発表されたガラス繊維強化プラスチック(GFRP)でできた自動車用構造材というのが、それです。
プレスリリースは栗本鐵工所から出されていますが、特許の出願は、マツダとの連名となっていることからもわかる通り、マツダとの共同開発品となります。
今回出展されたのは、ステアリングを支持するクロスカービームで、その素材はガラス繊維強化プラスチックのみ。基材構成と繊維配向の最適化、そして引抜成形法という中空体の成型技術を確立し、スチールと比較して30%以上の軽量化と、スチールと同等の強度を実現しているということです。
これによりコストを大きく抑えつつ、軽量化を実現することができるということですが、まだ発表されたばかりの素材だけに「これが実際に構造体としての使用に耐えられるものなのか、についてはこれからである(説明員)」としていて、実際にどの程度のコストとなるのか、クロスカービーム以外への使用があるのか、といった疑問にはまだこたえられるタイミングではないとのこと。
実用化まではまだもう少し時間がかかりそうです。
(青山義明)