2018シーズンから、ルールも一部変更されます。旋回時のオーバーG(競技失格)の基準が見直されました。10Gを越えたら即失格(〜2016)→10Gで0.6秒以上飛行すると失格(2017)…となっていましたが、2018シーズンより、10G以上(12G未満)を0.6秒以上飛行すると”2秒ペナルティ”となります(12Gを超えた場合は従来通り即失格)。
この見直しは旋回速度が向上している現実に即した変更といえます。元来機体は最大荷重12G以上を想定されています。
今まで1発アウトだった「12G未満の短時間の飛行」がインコレクトレベル(ゲート通過時の機体角度違反)と同等のペナルティとなった事で、最後まで飛行できるチャンスが増えた事は勝負を一層盛り上げる事でしょう。
また、2018年シリーズの暫定スケジュールも発表されています。
2/3 アブダビ(UAE)
4/22 カンヌ(フランス)
5/27 TBA(ヨーロッパ)
6/24 ブダペスト(ハンガリー)
8/5 TBA(アジア1)
8/26 カザン(ロシア)
10/7 インディアナポリス(USA)
11月 TBA(アジア2)
初開催が決定しているのはカンヌ。フランスは現在4名のパイロットがレッドブル・エアレースに参戦中なので納得。ブダペストのドナウ川、開幕戦のアブダビでのレースはそれぞれ2003,2005年から連続開催を続けており、不動の人気を誇る開催地。カザン・インディアナポリスも連続開催です…が、千葉が漏れています。
暫定スケジュール発表直後に、熊谷千葉市長がエアレースレースファンからのtwitterでの問いかけに「千葉市開催に向けて実行委員会と一緒になって関係機関と協議を行なっている段階です」「千葉市で開催頂けることを期待しています」と前向きに調整中であることを表明されています。
レッドブル・エアレースについては、千葉市開催に向けて実行委員会と一緒になって関係機関と協議を行なっている段階です。今回の発表には入りませんでしたが、引き続き調整を進め、千葉市で開催頂けることを期待しています。 https://t.co/dW46T8MUqq
— 熊谷俊人(千葉県知事) (@kumagai_chiba) November 9, 2017
現チャンピオンの母国がレース開催地から漏れるというのはあまりにも残念。実行委員会の交渉進展に期待しましょう。
暫定スケジュール発表の際、最終戦のアジア2は「(第7戦インディアナアポリスと)太平洋を挟んだアジアで11月に開催。いままでRed Bull Air Raceが開催されたことがない都市で最終戦を迎える予定」という事で、千葉が代替候補になる事はなさそう。アジア1は中国・香港辺りでの開催が予想されていますが、コチラでの復活に期待したいところです。
2018シーズンの開幕戦アブダビまでおよそ1ヵ月。
室屋選手の機体はシーズン終了後、アメリカでオーバーホールに入っています。現在の塗装の際、重ね塗りをされるという作業ミスで機体が重くなっていますが、機体の塗り替えは行わないとの事でした。意外にオフ期間が長くないので、見た目に解りやすい機体の改造は見送られるのかもしれません。
室屋選手は開幕前に記者会見を行う予定で、ワールドチャンピオンとして臨むシーズンへの意気込み・思いを新年を語る予定です。楽しみに待ちましょう。
(川崎BASE・photo:Daniel Grund/Joerg Mitter/Redbull Content Pool)