2017年、行ってよかった日本の風景・ベスト5【車中泊女子の全国縦断記】

2017年も残りわずか。今回は、2005年からキャンピングカーで生活しながら放浪の旅をしている筆者が、個人的に「行ってよかった」と感動した風景ベスト5をご紹介します。

7・8・9月の3ヶ月間は北海道に滞在しており、また個人的に山が好きなのでそちら方面に偏りがちです。

九州人の感覚では5月にはもう「初夏」、山間部であろうとも冬期閉鎖なんてとっくに解除されているものと思い込んで行くのですが、草津に向かう途中の志賀高原でブリザードに見舞われたり、白山白川郷ホワイトロード(旧称:白山スーパー林道)は6月下旬まで通行止めだったり、いつも驚かされます。(写真は7月初旬のホワイトロード)

その1【立山の雪壁】

「山が好き」と言っても、日帰り程度の登山はするものの多くはロープウェイなどを利用しています。2017年5月下旬に訪れた【立山黒部アルペンルート】も、ケーブルカーで美女平駅、そこからシャトルバスに乗り換えて終点の室堂ターミナルまで合計で2,000mも一気に上りました。まだ雪壁がそびえてたのに驚き! これでも融けて低くなっているそうです。

その2【八幡平アスピーテライン】

岩手県の北西部、奥羽山脈北部の山群・八幡平(はちまんたい)もよく訪れます。岩手県の八幡平御在所地区から秋田県のトロコ温泉まで【八幡平アスピーテライン】が全長約27kmにわたって八幡平を横断しており、雄大な景色を眺めながらのドライブは最高です。

今年ははじめて八幡平山頂付近にある鏡沼の溶解、通称「ドラゴンアイ」を見ることができました(6月初旬)。雪解け水がまるで「目」のように見えることから「ドラゴンアイ」と名づけられています。惹き付けられるネーミングですね。

見返峠のレストハウス(駐車料500円)から登山道を約10分。雪で滑るので、雪道に慣れない筆者は15分かかりましたが、貴重な光景を見ることができてよかった!

八幡平アスピーテライン沿いには御在所湿原(赤沼めぐり:写真)、大場谷地園、焼走り溶岩流などなど見どころ多数あります。また、蒸(ふ)けの湯や後生掛温泉など温泉の宝庫でもあります。駐車場が要所要所に設けられているので、クルマから降りてすぐ散策できるのも魅力のひとつ。

この御在所湿原めぐりコースはスノーシェルターを挟んで東西2ヶ所に駐車場があり、トイレのある西側の駐車場よりも未舗装の東側の駐車場からの方が沼には近いです。写真の光景は10分程度で見ることができます(6月上旬)。

その3【花の名所】

花の名所は数あれど、中でも自然のまま、または自然に近い状態での〝群生〟が見たくてネットの情報などを頼りに訪れるのですが、花の時季というのはタイミングが難しいもので、その年の気候にも左右されるし、見頃を迎えても急な降雪や大雨で台無しになってしまうこともしばしばあります。

上記の八幡平アスピーテラインを走っていて、たまたま大場谷地園のレンゲツツジが鮮やかな朱色が見えたので立ち寄った、ということもありました。道路から見えるくらいですから、駐車場から木道を歩いてほんの1〜2分で写真の光景が広がっています(6月下旬)。

北海道では大雪山・裾合平のチングルマ群生(6月下旬〜7月初旬)、小清水原生花園や野付半島のエゾスカシユリ群生(7月)を見に行くことが定番になっています。

今年は早めに渡道したお陰で弟子屈・硫黄山山麓のエゾイソツツジ群生を見ることができました。群生地は100ヘクタールにも及び、【つつじヶ原自然探勝路】が川湯温泉郷から硫黄山レストハウスまで整備されています。とはいえ、6月下旬で「ギリギリ間に合った」というところ。ベストな見頃は6月初旬〜中旬です。

その4【紅葉スポット】

北海道の紅葉は9月中旬に大雪山からはじまります。裾合平チングルマの花の見頃は6月下旬〜7月上旬でしたが、秋には綿毛と草紅葉が織りなす絵画のような色彩を9月中旬〜下旬にわたって楽しめます。

旭岳ロープウェイで姿見駅から登山道を約1時間半、往復約3時間の道のりです。見渡す限り360度パノラマ、大自然のまっただ中に身を置けばストレスも風に吹かれて飛んでいってしまいます。

2017年もっとも感動した紅葉スポットは北海道・三国峠です。国道273号、上川町と上士幌町の境にあり、北海道の国道の中で最も標高が高い峠(標高1,139m)です。

展望台には駐車場とトイレ、シーニックカフェがあります。写真はコマクサ橋から撮りました。同行者がいるならば、少し下にある松見大橋を走っている愛車の姿を撮影してもらえたら最高の思い出になるのではないでしょうか。

層雲峡から大雪湖〜三国峠を通って糠平(ぬかびら)までのルートはまさに「紅葉ドライブルート」です。9月下旬、ちょうど連休あたりが見頃ですよ。

青森県の八甲田山系の紅葉、城ヶ倉大橋から望む城ヶ倉渓流の風景も見事です(10月初旬)。橋の両端に駐車場とトイレもあります。八甲田山ルート上にも奥入瀬渓流や十和田湖、田代平湿原、酸ヶ湯温泉、地獄沼・まんじゅうふかし(ふかし湯)などなど見どころが多数あり、ドライブに最適です。

その5【阿蘇ドライブ】

地元で恐縮ですが、ラストは熊本・阿蘇です。世界一のカルデラを誇る雄大な景色を堪能できるドライブルート、日本百名道・ミルクロード〜やまなみハイウェイ、グリーンロード(ケニーロード)、また阿蘇パノラマライン「阿蘇南登山道(阿蘇吉田線)県道111号線」も今秋に復旧開通しました。

写真は二重峠(ふたえのとうげ)からの眺め。阿蘇の雄大な景色を眺めながらのドライブは本当に気持ちがいいです。兜岩展望所、大観峰、城山展望所など阿蘇五岳・カルデラを一望できる展望所も点在していますし、阿蘇山中岳噴火口、草千里、阿蘇神社 門前町と水基めぐりなどなど見どころ、レジャー、温泉も多数点在しているので1日では廻りきれません。何度も訪れている場所でも目線を変えると新たな発見があったりして、旅は飽きないですね。

次回は「心に残った出来事ベスト5」をお届けします。

(松本しう周己)

この記事の著者

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松本しう周己

高校は美術科を卒業し、印刷会社のデザイン部に就職するも2年足らずで退職してフリーターに。主にコンサート・イベント関係で全国を駆け回る。その後、なぜかウェブデザインの道へ。仕事としては車との接点はまったくないが旅行好きでドライブ好き、20年前から道の駅などで車中泊していた。
「ネットを通して仕事ができれば、どこにいても構わないのでは」と、2005年、ついにキャンピングカーを自宅兼仕事場としてしまった。根は機械オンチなため、日進月歩の日々。
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