【新車カムリ試乗】アメリカ車を駆逐した「メイドインジャパン」トヨタのミドルセダン

1980年にセリカカムリとして誕生したカムリは、とくにアメリカでの人気が高いクルマで、2002年から2016年まで15年連続で乗用車販売ナンバー1を記録し続けている大ヒットモデルです。

新型カムリはTNGA思想に基づいてプラットフォームからパワートレインまで一新されたモデルで、もちろんアメリカをメインマーケットとしたクルマ作りとなっています。

アメリカ市場がメインというと、広大な大地で使われるフルサイズのモデル……というイメージがあるかも知れませんが、それは違います。アメリカでフルサイズのモデルを駆逐してヒットしたのがカムリなのです。日本車ならではの緻密な作りと、ベストなサイズこそがカムリの魅力というわけです。

さて、そんなカムリに乗って高速道路中心のロングドライブに出てみました。

カムリのパワーユニットは2.5リットルの直列4気筒エンジンに、ハイブリッドシステムが組み合わされたものです。当然、スタートはモーターのみによるEV走行で始まります。エンジンが始動してEV走行からハイブリッド走行に切り替わる際にも気をつけてないとわからないようなシームレスさがあります。

スポーツカーならパワーユニットがその存在を主張したほうがいいですが、ラグジュアリーセダンでは主張しないことも大切です。カムリは液体封入エンジンマウントなどが採用され、徹底的にパワーユニットの振動やノイズを除去しています。

長距離ドライブには欠かせない存在となっているアダプティブクルーズコントロールは全車速追従型です。高速道路を巡航しているときはもちろん、渋滞時のノロノロ運転でもしっかり追従ドライブしてくれます。ACCの設定最高速度は180km/hまで設定可能なので、現在一部で実施されている高速道路の110km/h規制や、今後行われるであろう120km/h規制にも対応します。

(文:諸星陽一/写真:ダン・アオキ、clicccar編集長 小林 和久)

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諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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