【新車カムリ試乗】日本で生まれ北米が鍛えたハイブリッドは、どこまでも走りたくなる快適性と低燃費を得た

カムリは1980年にセリカカムリとしてこの世に生を受けました。

その17年後には世界初の量産ハイブリッド車となるプリウスが誕生。トヨタはハイブリッドモデルのバリエーション拡大にまい進、グローバルでみれば2006年登場の8代目カムリにハイブリッドを設定。国内仕様では2011年登場した9代目よりハイブリッドを採用。現行10代目ではハイブリッドモデルのみとなりました。

ハイブリッドが生まれてから20年という時間は、ハイブリッド車の環境性能や信頼性、安全・安心 などを飛躍的に向上しています。

新型カムリのハイブリッドシステムに搭載されるエンジンは、静粛性やノイズ性能にも優れていますが、アクセルペダルを床まで踏み込んだ際の加速感はなかなか力強く気持ちのいいものでした。

エンジンの最高出力は211馬力、モーターが120馬力ですから、ハイブリッドシステムからフルに出力を引き出せば、その力強さはなかなかのものとなります。駆動方式はFFですが、タイヤのコントロールデバイスが正確に働くので、フル加速時も不安感はありませんでした。

新型カムリはTNGA思想の新プラットフォームとしたことで、重心をグッと引き下げることに成功しています。

クルマにとって重心が低いというのは非常に重要です。安定性はもちろん、乗り心地についても大きく影響します。カムリは重心を低くしたうえで、リヤサスペンションにマルチリンクを採用。ゆったりとした乗り心地に加えて、しっかりしたハンドリングも手に入れました。

カムリには16~18インチの3種のタイヤが用意されています。このうち17インチと18インチに試乗しました。100km/hでの巡航だけなら18インチが適していますが、総合的にみると17インチのほうがクルマとのマッチングがいいです。

シャシーだけでなくエンジンまでも刷新された新型カムリは、トヨタの推し進めるTNGA思想をすべて盛り込んだ最初のモデルとなります。

その総合性は非常に高いレベルでした。とくにクルージング性能は気持ちのいいもので、400~500km程度なら一気に移動してしまいそうな感覚です。燃費は撮影しながらの厳しい条件でも20km/h超を実現していました。燃料タンクは50リットルですから、1000kmを一気に走れてしまうことになるのです。

そこまで行っても、きっと大した負担は感じることはない……そんな後味があるクルマでした。

(文:諸星陽一/写真:ダン・アオキ、clicccar編集長 小林 和久)

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諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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