電気自動車のF1とも呼ばれる「フォーミュラE」(FE)の第4シーズン第2戦が、昨日の開幕戦に続き香港のストリートサーキットで行われました。
第2戦も、開幕戦同様波乱のレースとなりました。
まず、現地時間午後3時(日本時間、同4時)に予定されていたグリーンシグナルが信号機器のトラブルにより点灯せず、約10分遅れでセーフティーカー先導によるスタートに。さらにレース1周目の第一コーナーでは、ポールポジションのフェリックス・ローゼンクヴィスト(スウェーデン)が単独スピンを喫し後退。2番グリッドからスタートしたエドアルド・モルタラ(スイス)が労せずしてトップに立ちました。
今回がFE2戦目となるモルタラは、安定した走りで周回ごとに2番手のダニエル・アプト(ドイツ)との差を広げる快走を見せます。そして22周を消化したところでピットイン、トップを守ったままコースに復帰を果たします。
一方、オープニングラップのスピンで一時は9位まで順位を落としたローゼンクヴィストが猛チャージをかけ、7番手まで挽回。その後のピット戦略も功を奏し、2位のアプトに続く3位に浮上します。さらにピットアウト直後は10秒以上あった差を周回ごとに詰めていき、終盤はアプトにプッシャーをかける位置にまで迫ります。
ローゼンクヴィストからのプレッシャーを感じたアプトは、バッテリーのエネルギー残量を気にしながらもペースアップ。3位を引き離すと同時に首位モルタラをプッシュする攻めの展開に転じます。
トップ3がそれぞれチェッカーフラッグに向けて攻めの走りに出たためタイム差は拮抗し、このままゴールかと思われた残り3周に最後のドラマが起きます。
序盤からトップを走り続けていたモルタラが突然スピン。コースに復帰しますが、アプト、ローゼンクヴィストの後塵を拝す結果となりました。このため、序盤から粘り強くポジションを守り切ったアプトが優勝。25歳の誕生日、自分自身に25ポイントのプレゼントを贈った形になりました。
なお、小林可夢偉は予選16番手からスタートし、18位で完走を果たしました。フォーミュラE第4シーズン第3戦は、2018年1月13日(土)、モロッコのマラケシュで開催される予定です。
(Toru ISHIKAWA)
<追記>
レース後の再車検で、優勝したアプトのマシンに搭載されていたインバーターおよびMGU(運動エネルギー回生システム)に貼られたFIAのバーコードステッカーが、チームから提出されていたテクニカルパスポートに記載の情報と一致しない事が判明し、アプトに失格の裁定が下された。その結果、アプト以下の順位が繰り上げとなった。チームからの抗議に対する裁定が正式に決まるまで、この結果は暫定扱いとなる。