水の郷・佐原の町並みを舟めぐり(千葉)【車中泊女子の全国縦断記】

「お江戸見たけりゃ佐原へござれ、佐原本町 江戸まさり」と謳われた水の郷・佐原(さわら)の町並みを散策してきました。

江戸時代、佐原は水運を利用して大いに栄え、「江戸優り(えどまさり)」と称されるほど賑わっていました。商家町の歴史的景観を遺す町並みは【重要伝統的建造物群保存地区】に選定されています。

駐車場は『町並み観光駐車場』『市営駐車場』『ぶれきめら駐車場』など、いくつも点在しています。ただし道が狭く週末などは混雑するので、余裕を持って10時には現地に着きたいところです。

佐原を代表する偉人と言えば、歩いて測量し日本地図を製作したことで知られる伊能忠敬(いのう ただたか)。

伊能家は代々、名主・村方後見を務める家柄で佐原で最も有力な商人でした。旧宅に今もある土蔵は、文政4年(1821)の修理銘が残る、佐原に現存する土蔵では最も古いものです。

【伊能忠敬記念館】(入館料 大人500円/小中学生250円、月曜休館)。
【伊能忠敬旧宅】は内覧自由。測量道具なども展示されています。

【東京バンドワゴン~下町大家族物語】のロケ地としても有名な【珈琲 遅歩庵(ちぶあん)いのう】。なんと伊能忠敬の子孫、伊能家17代目が経営しています。

2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震では、香取市も震度5強の揺れを観測。佐原の町並みも大きな被害を受けましたが、現在は建物の修復がほぼ完了しています。

【馬場本店酒造】では酒蔵見学はできませんが、古い道具類などの資料の品々が敷地内に置かれています。お店では江戸時代から手造りの製法を守っている伝統みりんをはじめ日本酒・焼酎を販売しており、試飲もできます。

昼食は、明治時代に建てられた商家を改修したお店【いなえ】で和牛カレーうどんを食べました。甘味喫茶・ギャラリー・セレクトショップがあり、お料理が来るまで中庭やギャラリーを見て廻れたのもよかったです。

カレーは和風、とろみがあってまろやかに感じるけど後味はスパイシー。和牛の脂身がコクを深めて麺によくからみます。

小野川にかかる樋橋から1時間ごとに放水されることから、通称:じゃあじゃあ橋と呼ばれています。『日本の音風景100選』にも選定されている佐原の名物です。

お目当ての『舟めぐり』、この日は連休中とあって行列ができていたのですが、増便されたのですぐに乗ることができました。乗船料は大人1,300円、小学生700円、小学生未満は無料(保護者同伴)です。団体様は要予約。

3つくらい橋をくぐり、JR成田線の鉄橋もくぐり、国道の手前で折り返します。度重なる台風の影響で、川沿いの柳がほぼ全て枯れてしまったそうです。復活してくれることを願います。

フォトジェニックな町並みを活用して、コスプレイヤーがたくさん集まって写真撮影に興じていました。なるほど、そういうのもアリなんですね。

切り絵のような街灯の飾りは『佐原の大祭』を描いていました。穏やかな口調の船頭さんが、町並みの見どころや歴史などを色々と説明してくれるので、飽きることがありません。およそ30分の舟旅を満喫しました。

川越氷川祭・常陸國總社宮大祭とともに関東三大祭りの一つ『佐原の大祭』。7月の本宿祇園祭と10月の新宿秋祭りの総称で、2016年12月にユネスコ世界無形文化遺産に登録されました。【水郷佐原 山車会館】では、実際に佐原の大祭で曳き廻される山車が展示されています。

【ぶれきめら駐車場 お休み処】で、オヤツに『醤油ジェラート』をいただきます。醤油の風味は控えめで、甘すぎず塩っぱすぎず、さっぱりした後口です。カップとコーンが選べます。気になる『薬膳生姜ジェラート』もあり、どちらにするか悩みました!

佐原の町並みの中には、小堀屋本舗の『黒切り蕎麦』、古本屋さんの『昔のたいやき』などなどご当地グルメも盛りだくさんで、目移りしてしまいます。

【道の駅 水の郷さわら】
住所:千葉県香取市佐原イ3981-2
電話:0478-50-1183
駐車:普通車 156台/大型 22台/身障者 4台

佐原の町並みまで約1km。物産館、フードコート、観光案内所、河川マリーナ(レンタルボート、レンタルマリンジェットあり)、カヌー乗り場を併設。モーターボート・屋形船で利根川を遊覧する観光船もあります。

また、レンタサイクルもあるので利根川沿いのサイクリングロードや、佐原の町並みなど観光名所をポタリングするのにも役立ちます。秋晴れの日は、よりいっそう気持ちいいでしょうね。

(松本しう周己)

この記事の著者

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松本しう周己

高校は美術科を卒業し、印刷会社のデザイン部に就職するも2年足らずで退職してフリーターに。主にコンサート・イベント関係で全国を駆け回る。その後、なぜかウェブデザインの道へ。仕事としては車との接点はまったくないが旅行好きでドライブ好き、20年前から道の駅などで車中泊していた。
「ネットを通して仕事ができれば、どこにいても構わないのでは」と、2005年、ついにキャンピングカーを自宅兼仕事場としてしまった。根は機械オンチなため、日進月歩の日々。
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